中央競馬のためにならない話

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ロジ馬の狙い時を人気から見てみる

昨年の東京優駿を優勝したロジユニヴァース号を所有している冠名ロジの久米田正明氏。中央馬主デビュー1年目にしてダービー馬のオーナーになったという強運の持ち主ですが、それ以上に驚くべきは所有馬戦績。ここまでのロジ馬の成績は以下のようになっています。

◆馬主(最新/仮想)別集計
  集計期間:2008. 7. 6 〜 2010. 2. 7
  ソート:着別度数順
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馬主(最新/仮想)     着別度数              勝率  連対率 複勝率 単回値 複回値
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久米田正明         14- 4- 0- 2- 2- 9/31   45.2%  58.1%  58.1%    152    112
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驚きを通り越して呆れるより他ないといった成績です。所有11頭に対して10頭出走(未出走抹消が1頭います)、勝ち馬8頭で勝ち馬率は実に80%に上ります。
ここまで成績が良いのには、厩舎スタッフの努力はもちろんですが、久米田氏の相馬眼が大きいのでしょう。昨春、久米田氏にクローズアップした記事でも述べられていたように、馬を見る眼は玄人はだし、自身も相当な自信を持っている様子。所有馬は、唯一の庭先取引であるロジユニヴァース号を除くとすべてセリで購入、最も高い馬でロジサイレンス号の税抜3,000万円(デビュー前の馬を含めるとルカダンスの2009の4,200万円が最高)、それでいてこの打率は驚異的としか言いようがありません。


ロジ馬は単複回収率がともに100を超えているということで今のところ単複ベタ買いでも浮いてしまうという状況ですが、そこから敢えて狙い時というものを絞り込んでみようと思います。以下が単勝人気別の成績。

◆人気別集計
  集計期間:2008. 7. 6 〜 2010. 2. 7
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人気      着別度数              勝率  連対率 複勝率 単回値 複回値
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1番人気  6- 1- 0- 0- 0- 1/ 8   75.0%  87.5%  87.5%    151    112
2番人気  6- 0- 0- 1- 0- 0/ 7   85.7%  85.7%  85.7%    372    150
3番人気  2- 0- 0- 0- 0- 1/ 3   66.7%  66.7%  66.7%    306    116
4番人気  0- 0- 0- 0- 1- 2/ 3    0.0%   0.0%   0.0%      0      0
5番人気  0- 0- 0- 0- 0- 2/ 2    0.0%   0.0%   0.0%      0      0
6番人気  0- 1- 0- 0- 1- 0/ 2    0.0%  50.0%  50.0%      0    145
7番人気  0- 2- 0- 0- 0- 1/ 3    0.0%  66.7%  66.7%      0    296
8番人気  0- 0- 0- 0- 0- 1/ 1    0.0%   0.0%   0.0%      0      0
9番人気  0- 0- 0- 1- 0- 0/ 1    0.0%   0.0%   0.0%      0      0
10番人気  0- 0- 0- 0- 0- 1/ 1    0.0%   0.0%   0.0%      0      0
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※11番人気以下になったことはなし

はっきり傾向が出ています。さらにわかりやすくまとめてみます。

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人気      着別度数              勝率  連対率 複勝率 単回値 複回値
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1〜3人気 14- 1- 0- 1- 0- 2/18   77.8%  83.3%  83.3%    263    127
4〜 人気  0- 3- 0- 1- 2- 7/13    0.0%  23.1%  23.1%      0     90
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要は、買えるのは単勝3番人気以内のとき、ということですね。しかも、基本的にアタマで来ています。3番人気以内なら三連単1着固定で強気に攻める手もアリでしょうか。例として、これまでのロジ馬について、3番人気以内の馬が出て来たら三連単1着固定で総流し、としてみると、約33万円の投票に対して約40万円の払い戻しになっており、そのような買い方でもプラス収支になるようです。ただ、ロジユニヴァース号の東京優駿における201,960円がかなり効いていること、ロジ馬がアタマで来るときは安めの配当が多い(ロジ馬1着時の馬単最高配当は7,870円、平均2,414円)ことを考えると、総流しはむしろリスクが高いかもしれません。
この傾向は先週の競馬でも継続されていました。土曜東京9Rの春菜賞に出走したロジフェローズ号が2人1着、日曜東京7Rの3歳500万下に出走したロジシンボリ号が4人6着、日曜東京11Rの共同通信杯に出走したロジスプリング号が5人11着。3番人気以内はアタマで来て、4番人気以降は馬券圏外へ沈んでいます。


なぜこのようなことになっているのでしょう。妄想を駆使しますと、久米田氏の勝馬投票券購入が影響しているのではないか、と。毎回実際にパドックで所有馬を見ているとするならば、その相馬眼を頼りに、自信のあるときは大きく張って(人気が上がる)、自信のないときはあまり張らないで(人気はほどほどになる)、ということをしているような気がします。馬主一人の購入でそこまでオッズが動くか?と問われると自信はありませんが、売上の少ない新馬戦や未勝利戦なら多少オッズを動かすくらいはあってもおかしくはないとも言えそうです。まあ、ロジ馬の出走したレースで時系列のオッズをいくつか見ても、締切直前に人気が変わった例はほとんどないようなので、やっぱり妄想の域を出ない考えですね。


好調のロジ馬ですが、この調子がいつまでも続くとは思えません。特に、これまでロジ馬が出走したレースはすべて世代限定戦。古馬混合のレースに出走したことは一度もないのです*1古馬と一戦交えたときもこの傾向が継続されるかとなると、おそらくはノーということになるでしょうが、少なくとも新馬、未勝利などの世代限定戦では有効なデータになるであろうと考えます。当面の注目は、現役馬で唯一未勝利のロジガール号でしょうか。休み明けの初ダートとなった前走は、時計は速くないものの、前残りの中を最後方から追い込んで掲示板(6人5着)。未勝利脱出にメドを立て、次走は上位人気が予想されます。今週末、自己条件に出走予定のロジサイレンス号と併せ、これらの馬の次走人気と着順によって、夏からの2歳世代でのロジ馬の扱いも見えてくるものと思います。

*1:超大物と思われたロジロマンス号が無事なら、今頃短距離ダート古馬の一線級と激戦を繰り広げているはずでしたが…。ロジユニヴァース号の相次ぐ出走延期を見ていると、古馬とぶつけたくないのでは?と下衆な勘繰りまでしてしまいます