中央競馬のためにならない話

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GI複勝率100%のGI未勝利馬

昨日開催の秋華賞アヴェンチュラ号が優勝。GIで毎回惜敗、悲願の戴冠を目指した1番人気のホエールキャプチャ号は3着、またしても惜敗という結果になりました。通算成績(4.3.3.0)、皐月賞東京優駿を制してクラシック三冠の期待のかかるオルフェーヴル号も破っており、成績は一流馬のそれですが、GIでは(0.2.2.0)とあと一歩となっています。
ただ、GIを優勝していないとはいえ、強い馬の集まるGIで複勝圏を外したことがないというのは、それはそれですごいことのように思います。このような、「GI未勝利だけどGIで複勝圏を外したことがない」馬は他にいるのでしょうか。調べてみました。
集計対象は1986年以降のおよそ25年半、ただ一度のGI出走が複勝圏だった、という馬は除外して、複数回GIに出走した馬を対象にしています。もちろん、JpnIもGIとして集計しています。なお、GI初出走から連続して複勝圏をキープしたのち、GIを優勝した、あるいはGIで複勝圏外に沈んだ、という例は省いています(そうした馬がいるのかどうかは未調査)。あくまで、生涯のGI複勝率100%のケースです。


馬名レース名着順レース名着順レース名着順レース名着順
メジロトーマス  86天皇賞・春2着86宝塚記念2着
ケリーバッグ  90桜花賞2着90優駿牝馬3着
マックスジョリー93桜花賞3着93優駿牝馬3着
ローブモンタント 93阪神3歳牝馬S2着94桜花賞3着
フェアダンス  95エリザベス女王杯3着96エリザベス女王杯2着
エアデジャヴー  98桜花賞3着98優駿牝馬2着98秋華賞3着
マチカネホクシン 99朝日杯3歳S3着00NHKマイルカップ3着
ダイワバーバリアン09朝日杯FS3着10NHKマイルカップ2着
ホエールキャプチャ10阪神JF2着11桜花賞2着11優駿牝馬3着11秋華賞3着
※ほか、ロングハヤブサ号が86安田記念3着、86マイルチャンピオンシップ3着ですが、阪神ジュベナイルフィリーズの前身レースにあたるグレード制導入前の阪神3歳ステークスを優勝しており、これによって当年の最優秀3歳牡馬に選出されているため、実質GI級競走を優勝していると判断して除外しました。


さすがにそれほどいませんね。ダイワバーバリアン号とホエールキャプチャ号は現役なので、GIを優勝する、あるいはGIで複勝圏を外すときがあればこのリストから消えることになりますが、現時点でもわずかに9頭です。
表からわかるように、GI未勝利かつ生涯GI複勝率100%で複勝圏4回というのは、グレード制導入後はホエールキャプチャ号が初めてのようです。ある意味歴史に名を刻んだわけですが、こういうのは記録として残りませんから、われわれが記憶にとどめておくしかないのかなと思います。
他を見ると世代限定戦で達成した馬がほとんどですね。古馬相手でこの記録を達成したのはメジロトーマス号くらいです。フェアダンス号は同一レースでこれを達成したうえ、95年は3歳限定最後の年、96年が古馬開放の年であり、さまざまな偶然が重なった稀有な例と言えそうです。そして何といっても目に留まるのはエアデジャヴー号ですよね。牝馬三冠ですべて複勝圏、というのはホエールキャプチャ号と一緒。わたしは新しいファンなので実感がないですが、昔からの競馬ファンにはホエールキャプチャ号を見てエアデジャヴー号を連想された方も多いようですね。ホエールキャプチャ号の場合、さらに阪神JFの2着もありますから、史上最強のGI未勝利馬かもしれません。あまりありがたくない称号でしょうけど…。