先週の産経大阪杯ではオルフェーヴル号が優勝、昨年の阪神大賞典での大逸走とは異なり、無難な年明け緒戦となりました。単勝配当は実に120円、当然ながら1番人気による優勝で、これでステイゴールド産駒は3週連続で1番人気で重賞を優勝したことになります*1。同一種牡馬の産駒による○週連続優勝というのはそこまで珍しくもないことなのかな、と思いますが、すべて1番人気、というのはなかなかないように思いますので、1986年以降で調べてみました。
最初は3週連続以上で拾おうかと思ったら、かなり少なかったので2週連続以上で拾っています。1番人気での連勝というのは2週以上でも31例。ほとんどがサンデーサイレンス産駒によるもの、というのは予想されたこととはいえ、ここまでというのは本当に凄いですね。
今回のステイゴールド産駒の1番人気連続優勝の記録は、サンデーサイレンス産駒以外では種牡馬としては9例目(延べ11例目)、サンデーサイレンス産駒以外で1番人気連続優勝を複数記録しているのは3例目、3週連続優勝は6例目、サンデーサイレンス産駒以外の3週連続となると、キングカメハメハ産駒に次ぐ2例目と、珍しい記録になります。重賞を何週も優勝し続けるには、同時期に複数のオープン馬がいなければなりません*2し、特に1番人気での重賞連勝となると他と比較してもトップレベルの馬が複数必要ですから、ハードルが上がってしまうのは当然と言えば当然ですね。いまステイゴールド産駒の上位陣は、オルフェーヴル号、ゴールドシップ号をはじめとして、重賞で勝ち負けになる馬が非常に多いですから、このような記録を達成できるのも納得です。今回のステイゴールド産駒の記録は一応継続中で、今週末の重賞にも桜花賞にウインプリメーラ号が出走予定ではありますが、大量購入がない限りは1番人気になることはないでしょうから、記録を継続する可能性はほぼゼロです。
また、この中ではゴールドアリュール号が、1番人気での重賞優勝自体わずか5回しかないのに、2週連続1番人気で優勝している例があるのが目を引きます。
上記の例とは異なりますが、同一開催週あるいは同一開催日に、1番人気での重賞優勝を複数達成した
種牡馬についても下記の通りまとめてみました。
種牡馬 | 期間 | レース | 馬名 | レース | 馬名 |
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これも先ほどと同様、オープンクラスの馬が複数いなければ達成できない記録です。同一週に同一産駒が1番人気で重賞3勝、という例はサンデーサイレンスでもありませんでした。重賞が週に3つ以上開催されること自体多くないですし、性齢、距離、芝ダートと満遍なくカバーできる産駒のバリエーションが大前提で、それに加えて各レースで1番人気、ですから、サンデーサイレンス以上に勢力図を塗り替えるような種牡馬が出てこない限りは達成されることはなさそうです。
せっかくなので、人気を問わず複数週にわたり産駒が重賞を優勝した例を、3週以上で拾ってみました。横に広がって見づらいですがご容赦ください。
やはりサンデーサイレンス産駒が圧倒的、また、他の種牡馬では3週連続重賞優勝自体が高いハードルだというのがわかります。本記事の最初に「そこまで珍しくもないことなのかな」と書きましたが、そんなことはなく、やはり珍しいことではあるようです。
少なくとも1986年以降の複数週連続記録の最高は5週連続のようですね。ステイゴールド産駒は人気を問わないなら、今週は桜花賞のウインプリメーラ号が出走予定、来週は中山グランドジャンプのマイネルネオス号が控えているはずなので、現在の3週連続を5週連続にまで伸ばすのは理論的に可能ですが、実力的には少し厳しいでしょうか。
2003〜2004年頃のサンデーサイレンス産駒の勢いは凄く、この2年で重賞68勝、全重賞の1/4以上を占めています。1ヶ月近く重賞を勝ち続けて、1週小休止して、また連勝、というケースが散見されますから、その小休止の週にも重賞を優勝できていれば不世出の大記録になったろうに、と思います。惜しかったのは2004年12月12日週。この週はスズカマンボ号が鳴尾記念で2着、ペールギュント号が朝日杯FSで3着(ともに1番人気)でした。どちらかが勝っていればなんと10週連続でサンデーサイレンス産駒が重賞勝利ということになっていたようです。