中央競馬春の祭典・東京優駿の出走馬が確定しました。優先出走権の規定が変わって以降、出走のための賞金ボーダーは下がってきており、今年も収得賞金1,050万円のアズマシャトル号が無抽選で出走可能、賞金上位馬が一頭でも回避すれば収得賞金900万円組が出走できていた、という事態になっていました。
ところで、「乗り替わりで東京優駿は勝てない」という話は有名で、昨年記事にもしたところですが、同じくらい長く続いているジンクスがありまして、それが「重賞未勝利馬は東京優駿で連対できない」です。もっとも、重賞未勝利だから絶対連対できない、というわけでもなく、過去にいることはいまして、1986〜2013年の東京優駿の連対馬56頭を見ると、重賞未勝利馬の東京優駿での連対は以下の例があります。
馬名 | 年度・着順 | 備考 |
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フサイチコンコルド | 1996年1着 | 重賞出走なし |
ライスシャワー | 1992年2着 | |
レオダーバン | 1991年2着 | 重賞出走なし |
ウィナーズサークル | 1989年1着 | |
リアルバースデー | 1989年2着 | |
メジロアルダン | 1988年2着 | |
サニースワロー | 1987年2着 | |
グランパズドリーム | 1986年2着 |
56頭中8頭というのは決して少なくはない数字ですが、重賞に出走したことがあり、なおかつ重賞未勝利で連対した例となると、ライスシャワー号まで遡ることになり、以後実に21年連対馬が出ていません。それなりに信頼性の高そうなデータです。
さて本題。東京優駿出走のための賞金ボーダーが下がっているということは、取りも直さず重賞未勝利で出走している馬が多いのではないか、と。実際、2歳王者のアジアエクスプレス号はダート路線に回って回避、皐月賞馬のイスラボニータ号が重賞3勝である種独占状態、夏のローカル2歳Sは牝馬が全勝、ということもあってか、重賞勝ち馬が少ないように思うのです。では、例年に比べてどうなのか。調べてみました。
以下はフルゲート18頭立てになった1992年以降の東京優駿における重賞未勝利馬の頭数と該当馬です。重賞未勝利馬が連対した年は着色してみました。今年のウインフルブルーム号を含め出走取消馬も該当していれば挙げています。
結論:気のせいだった
うーん。何だかんだで毎年8頭前後はいるものなんですね。現在に至るまでに重賞が徐々に増えた関係か、20年ほど前の方が重賞未勝利馬が多く、最近はむしろ減少傾向(もっとも、このくらいで下げ止まりでしょうけど)ということが言えるようです。2009年や2012年のような例がレアケースなんですね。
1992年以降、重賞未勝利馬が連対したのは1992年と1996年の2年。いずれも重賞未勝利馬が2桁出走しています。出走数と連対傾向に因果関係があるとするなら、今年の8頭は別に多いわけではなく、重賞未勝利馬の連対は厳しいのかな?と思えます。ダービーで3着に入る馬、後にGI戦線で大活躍する馬も多数含まれるリストですが、不思議と連対を果たした馬はほとんどいないんですよね。リストの各馬は重賞を優勝していないからそもそも人気になりづらい、だから勝てない・連対できない*1、というところはありますが、2006年のフサイチジャンク号のように、人気しながらも連対できなかった、という例もありますし、こうだから、という理由がはっきりしないとはいえ、何か要因があるように思われます。重賞優勝という格が必要なのだ、と言われればそれまでですが、それではあまりにも概念的ですからね。
今年も重賞未勝利馬が連対できないとすれば、連対の資格があるのは重賞優勝のある10頭。さらにそこから、乗り替わりが優勝できないということで絞り込むと勝ち馬候補は5頭です。イスラボニータ号、ショウナンラグーン号、トーセンスターダム号、トゥザワールド号、ワンアンドオンリー号。青葉賞創設以来の30年の歴史の中で、優勝馬は東京優駿0勝(!)であることを思うと青葉賞優勝のショウナンラグーン号も外せるかもしれません。となると勝ち馬候補は4頭、実にそれっぽい! 安くても単勝を当てたいとなったら、上記の単勝4点買いでかなり可能性が上がるのではないでしょうか。いずれも人気サイドなので、プラスになるかはまた別問題ですが。