日曜阪神のムーンライトハンデでエイシンヒカリ号が優勝。無傷の4連勝を飾りました。4連勝ならそれなりにありますが、降級を挟まず未勝利(新馬)、500万下、1000万下、1600万下と順に勝っていくのは少ないのではないでしょうか(これを表現する言葉が思い浮かばないので、勝手にステップを踏んだ連勝、ステップ連勝と呼ぶことにします)。そこで、1986年以降のステップ連勝馬、とりあえず1600万下までのステップ連勝馬を調べてみました。全馬一覧は以下のとおりです。
馬名 | 連勝期間 | 路線 | 連勝内容 | 次走 | 重賞実績 |
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新馬、400万下、900万下、1400万下 | |||||
未勝利(2戦目)、400万下、900万下、1400万下 | |||||
未勝利(初戦)、500万下、900万下、1500万下 | |||||
未勝利(6戦目)、500万下、900万下、1500万下 | |||||
未勝利(9戦目)、500万下、900万下、1500万下 | |||||
未勝利(3戦目)、500万下、900万下、1600万下 | |||||
未勝利(3戦目)、500万下、900万下、1600万下 | |||||
未勝利(2戦目)、500万下、1000万下、1600万下、GIII | |||||
未勝利(7戦目)、500万下、1000万下、1600万下、GIII | |||||
新馬、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(4戦目)、500万下、1000万下、1600万下、GI | |||||
未勝利(7戦目)、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(2戦目)、500万下、1000万下、1600万下、OP特別、GIII | |||||
未勝利(3戦目)、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(初戦)、500万下、1000万下、1600万下、OP特別、OP特別 | |||||
未勝利(4戦目)、500万下、1000万下、1600万下、1600万下 | |||||
未勝利(6戦目)、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(2戦目)、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(5戦目)、500万下、1000万下、1600万下 | |||||
未勝利(初戦)、500万下、1000万下、1600万下 |
※トウショウフリーク号のみ、未勝利戦が芝、ほかがダートという異なる条件下での連勝。
エイシンヒカリ号は1986年以降20例目にあたるようです。年間1頭弱ですか。思っていたよりは多いという印象です。デビュー以来の無傷でのステップ連勝となると、ボールドノースマン号、オギティファニー号、アグネスアーク号、ナムラタイタン号に次いで5例目。デビュー以来のステップ連勝をさらに伸ばしたのはナムラタイタン号のみ。また、1600万下優勝後もひとつずつ階段を上がった例は、デビュー以来ではないものの、ウォータクティクス号の未勝利→500万下→1000万下→1600万下→オープン特別→GIII、の6連勝が最高。エイシンヒカリ号は両馬に並ぶことができるでしょうか。後者は陣営のローテーションに左右されますが、距離の関係で菊花賞には向かわないことが明言されていますし、堅実なローテとなるかもしれません。単純な中央での連勝記録となると、マックスビューティ号、タマモクロス号、テイエムオペラオー号の8連勝が最高のはず。こちらにはまだまだ遠いですね。
ただ、パッと見の印象で言うと、ステップ連勝の馬には全体的に「重賞級だが超大物ではない」という傾向があるように思います。引退までにGI競走を優勝したのは2頭だけ、重賞未勝利馬もエイシンヒカリ号を除いても9頭と約半数。条件戦とオープン特別・重賞との間に高い壁があるのかなと想像され、エイシンヒカリ号がオープンクラスでも同じような強さを見せられるか、となると半信半疑です。
ステップ連勝は注目を集めるものですが、オープンクラスの能力がありながら、気性や体質に難があるがゆえにデビューが遅れ、条件戦を順に使わざるを得なかった、という事情を抱える馬が多いように思います。最近の連勝馬、ダノンフェアリー号、バーバラ号、ジョヴァンニ号も、連勝中の勢いは良かったですが、連敗が止まって以降はなかなか立て直しできていません。そもそも、真に地力をつけるなら、どこまでいっても昇級できないような弱い相手もいる条件戦で楽勝を続けるよりも、早い段階から重賞・オープンで他馬に揉まれる方がいいようにも思いますし(これは印象論でしかないですが)。エイシンヒカリ号も気性に難しさを抱えての連勝のようなので、一度壁に当たるとやる気をなくす可能性も。馬券的にはこの先どこで切るかの見極めが重要そうです。
ちなみにステップ連勝の趣旨とは外れますが、1000万下を経ずに飛び級で1600万下に挑戦して連勝を飾った例も散見されます。未勝利優勝→1600万下優勝の例は1986年以降、キョウワユウショウ号(1991)のみ。500万下優勝→1600万下優勝は、ダイゴシンプー号(1986)、メジロゴスホーク号(1987)、ヒデドラゴン号(1989)、テイエムメガトン号(1997)、ミスズシャルダン号(1998)、タマモトッププレイ号(2012)の6例。タマモトッププレイ号のときはそれなりに話題になったと記憶してますが、14年ぶりの椿事だったんですね。