桜花賞、皐月賞とも特別登録馬が発表され、週末は桜花賞と、いよいよ春のクラシックシーズンが到来。今年の特徴は、重賞を優勝して駒を進めてきた無敗馬が桜花賞・皐月賞ともに多いこと。桜花賞では3頭(キャットコイン号、クイーンズリング号、ルージュバック号)、皐月賞では2頭(キタサンブラック号、サトノクラウン号)の3戦3勝馬が出走する予定で、これは後々述べますが過去ほとんど例のない事象です。特に桜花賞はアルビアーノ号(NHKマイルC予定)も出走すれば4頭の3戦3勝馬がぶつかることになっていました。それはそれで見たかったですが仕方ないですね。
さて、戦績に傷のない無敗馬は馬柱としては派手ではありますが、例えば去年だと桜花賞で3戦3勝のレッドリヴェール号が2着、皐月賞で同じく3戦3勝のトーセンスターダム号が11着と、必ずしも好走するわけでもないというのが難しいところ。両馬以外にも本番での成績はどうだったのか、1986年以降で調べてみました。桜花賞→皐月賞の順に整理していきます。
桜花賞無敗馬
年 | 馬名 | 着順 | 戦績 |
---|---|---|---|
1986 | レイホーソロン | 3人4着 | 3勝 |
1988 | スイートローザンヌ | 2人4着 | 3勝 |
1988 | シヨノロマン | 4人2着 | 3勝 |
1989 | ホクトビーナス | 6人2着 | 2勝 |
1990 | アグネスフローラ | 1人1着 | 4勝 |
1991 | シスタートウショウ | 4人1着 | 3勝 |
1991 | イソノルーブル | 1人5着 | 5勝 |
1992 | ゴールデンソネット | 8人18着 | 2勝 |
1995 | ライデンリーダー | 1人4着 | 11勝 |
1999 | スティンガー | 1人12着 | 3勝 |
2000 | サイコーキララ | 1人4着 | 4勝 |
2000 | フューチャサンデー | 5人15着 | 2勝 |
2001 | フローラルグリーン | 5人14着 | 2勝 |
2003 | アドマイヤグルーヴ | 1人3着 | 3勝 |
2004 | ダンスインザムード | 1人1着 | 3勝 |
2004 | ムーヴオブサンデー | 3人4着 | 3勝 |
2005 | シーザリオ | 1人2着 | 3勝 |
2005 | エイシンテンダー | 5人6着 | 3勝 |
2007 | ニシノチャーミー | 13人18着 | 2勝 |
2009 | レッドディザイア | 2人2着 | 2勝 |
2013 | トーセンソレイユ | 3人7着 | 2勝 |
2013 | クラウンロゼ | 5人16着 | 3勝 |
2014 | レッドリヴェール | 2人2着 | 3勝 |
1986年以降で23頭、トータル成績は(3.5.1.14)です。懐かしい名前もいれば、「こんな馬いたっけ…」という名前もあることでしょう。表からわかるように、無敗馬の出走は1986年以降では2頭が最高。今年無敗馬が3頭出走すれば、グレード制導入後では初めてということになります。
並べるだけでは見えないところもあるので、勝利数別、人気別、前走別で整理してみました。
<勝利数別> 2勝 (0.2.0.5) 3勝 (2.3.1.6) 今回の3頭に該当 4勝以上 (1.0.0.3) <人気別> 1人 (2.1.1.4) 2人 (0.2.0.1) 3人 (0.0.0.3) 4人 (1.1.0.0) 5人〜 (0.1.0.6) <前走別> レース名 成績 馬券対象馬 今回該当 チューリップ賞 (2.1.0.2) アグネスフローラ、シスタートウショウ、シヨノロマン フラワーC (1.1.0.0) ダンスインザムード、シーザリオ エルフィンS (0.1.0.2) レッドディザイア 阪神JF (0.1.0.1) レッドリヴェール 500万下 (0.1.0.0) ホクトビーナス 若葉S (0.0.1.0) アドマイヤグルーヴ フィリーズR (0.0.0.4) ※掲示板100% クイーンズリング クイーンC (0.0.0.1) キャットコイン アネモネS (0.0.0.1) 阪神JF除く前年 (0.0.0.3)
結局あまり傾向らしい傾向は見えなかったですね。
勝利数では今回該当の3戦3勝組が最も良さそうという程度で、2戦2勝でも4戦4勝以上でも馬券圏内にはなっています。ただ、4勝以上はアグネスフローラ号が優勝したのみで他は馬券圏外、本番前に出がらしになっているのでしょうか? もっとも、イソノルーブル号、ライデンリーダー号、サイコーキララ号という名前を見るとそれ以外の要素が強すぎるように思えます。
人気面でも、人気するに越したことはないけれどやや低人気でもまずまずという感じ。2番人気の好走、3番人気の不振がやや目立ちますが、いずれもたまたまでしょう。
前走別ではある程度傾向が見えており、基本的には間隔が開くのは望ましくないです。例えば昨年以来で馬券になっているのはレッドリヴェール号のみ、エルフィンS組やクイーンC組もやや不振。クイーンC以来となるキャットコイン号はこれを覆すことができるでしょうか。また、全馬を対象にしても成績の良くない前走フィリーズレビュー組は無敗馬でもやはり不振で、クイーンズリング号には嫌なデータ。掲示板率は100%という半端な好走がまた面倒なことになっています。きさらぎ賞を経てきたルージュバック号はステップとしては初めてのケース。対戦相手としては若葉Sに、間隔としてはエルフィンSに近いものがあり、評価が悩ましいところ。強いレースではありましたが、きさらぎ賞で破った牡馬がその後いまいちなこと、間隔が開くことから、人気次第では嫌って妙味という考え方もありそうです。
皐月賞無敗馬
年 | 馬名 | 着順 | 戦績 |
---|---|---|---|
1986 | マルカセイコウ | 10人19着 | 3勝 |
1986 | ダイシンフブキ | 1人7着 | 5勝 |
1991 | トウカイテイオー | 1人1着 | 4勝 |
1992 | ミホノブルボン | 1人1着 | 4勝 |
1993 | シクレノンシェリフ | 4人3着 | 2勝 |
1993 | ペガサス | 12人16着 | 2勝 |
1996 | ミナモトマリノス | 3人4着 | 3勝 |
1996 | エイシンイットオー | 11人15着 | 2勝 |
1999 | ニシノセイリュウ | 4人12着 | 2勝 |
2001 | アグネスタキオン | 1人1着 | 3勝 |
2002 | モノポライザー | 3人16着 | 3勝 |
2005 | ディープインパクト | 1人1着 | 3勝 |
2005 | ビッグプラネット | 6人13着 | 2勝 |
2006 | フサイチジャンク | 2人3着 | 4勝 |
2007 | フサイチホウオー | 2人3着 | 4勝 |
2009 | ロジユニヴァース | 1人14着 | 4勝 |
2012 | シルバーウエイブ | 14人15着 | 2勝 |
2014 | トーセンスターダム | 3人11着 | 3勝 |
1986年以降では18頭と桜花賞よりやや少なめで、トータル成績は(4.0.3.11)です。無敗馬が複数出走した例は何度かありますが、3勝以上馬が2頭以上出走するのは1986年以降なく、今年サトノクラウン号とキタサンブラック号が揃って出走するとそれ以来ということになります。
桜花賞と同じように、勝利数別、人気別、前走別で整理しました。
<勝利数別> 2勝 (0.0.1.5) 3勝 (2.0.0.4) 今回の2頭に該当 4勝以上 (2.0.2.2) <人気別> 1人 (4.0.0.2) 2人 (0.0.2.0) 3人 (0.0.0.3) 4人 (0.0.1.1) 5人〜 (0.0.0.5) <前走別> レース名 成績 馬券対象馬 今回該当 弥生賞 (2.0.0.2) アグネスタキオン、ディープインパクト サトノクラウン 若葉S (1.0.1.1) トウカイテイオー、フサイチジャンク スプリングS (1.0.0.0) ミホノブルボン キタサンブラック 毎日杯 (0.0.1.0) シクレノンシェリフ 共同通信杯 (0.0.1.0) フサイチホウオー 若駒S (0.0.0.2) 500万下 (0.0.0.2) きさらぎ賞 (0.0.0.1) アーリントンC (0.0.0.1) 前年 (0.0.0.2)
頭数は少ないながら、桜花賞よりは傾向が出ているように思います。
勝利数としては3勝必須という感じですね。これは今回の2頭はいずれもクリアしているので問題ないでしょう。桜花賞とは違って4戦4勝でも馬券圏内は多いです。
次に人気ですが、データ的には、1番人気でなければ無敗馬のアタマはない、ということになります。この1番人気で1着になった無敗馬は、トウカイテイオー号、ミホノブルボン号、アグネスタキオン号、ディープインパクト号と錚々たるメンバー。仮にサトノクラウン号なりキタサンブラック号が1番人気で優勝すればこれらの名馬級、ということになるのですが…何だか現段階ではあまりイメージがわかないですね。5番人気以下では馬券圏内なしですが、両馬とも1〜3番人気くらいでしょうからあまり関係なさそう。
前走別で見ると基本はトライアルから、という流れになっており、この点でも今回の2頭はクリア。間隔が開くと良くないという傾向は桜花賞以上に強くなっています。