中央競馬のためにならない話

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調教師を最も育てた厩舎「MVS」はどこなのか

12月上旬にこの時期恒例となった新規調教師試験の合格発表がありました。新規で9名の調教師が誕生。最年少の手塚貴徳師は32歳、最年長の加藤公太師は先日52歳になったところと幅があります。JRAのHPにおける合格発表のニュース*1から各調教師のプロフィール、経歴が確認できますが、加藤公太師は森安弘昭厩舎でキャリアをスタートさせ、佐山優厩舎、大久保龍志厩舎と渡り歩いており、様々な経験、苦労を重ねてきたことがうかがえます。

こうした各調教師のプロフィールを眺めているうちに、厩務員や調教助手出身の調教師を多く輩出している厩舎があるのではないかと考え、いくつかの指標を用いて検証してみました。最終的にはJRAが公式に用いているMVJよろしくMVS(Most Valuable Stable)として合計ポイントまでを出しています。ただし、指標といっても客観的と言えるかは疑問です。人によってはこの見方は客観性を欠くと考える方もいるでしょう。当方がこのような考えで出してみたというだけなのでご了承ください。

育てられた側として経歴を確認した調教師は、86年以降に開業した調教師、及び23年と24年に実施した新規調教師試験に合格して開業待ちの調教師です。今回、福永騎手のように騎手から直接転身した調教師については除外して、調教助手等でいずれかの厩舎に在籍したことのある調教師を対象としています。騎手時代に厩舎所属した経験も調教師試験合格の糧になっているという見方は否定しませんが、単純にデビュー以降の厩舎所属の変遷を追うのが困難であること、騎手としての経験と調教助手等の経験は調教師への結びつき方が違うであろうと考えたことから、騎手時代の経験は一律ノーカウントとしました。なお、騎手出身であっても上村洋行師や武英智師のように引退後に調教助手として厩舎に在籍した調教師は対象としました。

経歴についてはJRAのHPの調教師プロフィールを確認しました。一覧の調教師個人のページを見ると、プロフィール、本年成績、累計成績に続いて「略歴」が記載されています。今回この情報をベースに種々の検討を行いました。JRAのHPからプロフィールを確認できない引退調教師、具体的には大久保光康師、河野通文師についてはWikipediaを参照しました。大久保光康師については引退から調教師免許交付まで数ヶ月の期間があるようですが、その間の状況はわかりませんでした。今回不明と取り扱いましたが、大勢には影響がないと考えています。田原成貴師もプロフィール確認ができませんが、騎手からストレートで転身した組なので対象外です。なお、通常当アカウントが調教師を呼ぶ際には苗字(相沢師・相沢厩舎など)、同姓の調教師が他にいる場合は苗字+名前1文字(和田道師、和田一師など)としていますが、観測範囲が広く同姓の調教師も多いことから、今回は冒頭から一律フルネームの表記で統一しています。

育てた側の厩舎の指標としては4点考慮しました。
・のちの調教師を輩出した人数
・のちの調教師が在籍した月数
・のちの調教師が最も長く在籍していた人数
・在籍した調教師が開業後に挙げた中央勝利度数
それぞれの考え方、集計方法については以下の通りです。

・輩出人数
これは最もシンプルな考え方で、厩舎に86年以降開業の調教師が何人在籍したことがあるかをカウントするものです。先に挙げた加藤公太師を例に取ると*2、森安弘昭厩舎、佐山優厩舎、大久保龍志厩舎に在籍したことがあるので、森安弘昭厩舎から1人、佐山優厩舎から1人、大久保龍志厩舎から1人、それぞれ輩出したと考えます。これを全調教師で確認して積み上げていきます。

・在籍月数
一口に厩舎に在籍と言っても、特に複数の厩舎にわたって在籍する場合は在籍期間に幅があり、10年以上在籍したかと思うと数ヶ月しか在籍していないケースが散見されます。長く在籍していたからいいとは必ずしも言えませんが、所属厩舎がのちの調教師に貢献した度合いを量る目的で、在籍期間の積み上げを行いました。調教師プロフィールからは各厩舎の在籍期間が示されていて、これに基づき各調教師が厩舎に在籍した月数を積み上げています。例示した加藤公太師の場合、森安弘昭厩舎に2000年10月から在籍、佐山優厩舎に2002年1月から在籍、大久保龍志厩舎に2010年6月から在籍とあります。このような場合、加藤公太師の森安弘昭厩舎の在籍期間は2000年10月~2001年12月の15ヶ月間としました。同様に佐山優厩舎には101ヶ月間、大久保龍志厩舎には175ヶ月間在籍してます。調教師免許交付前の最終所属厩舎の在籍終期は2月末(2019年以降交付者は前年12月末)としています。なお、石毛善彦師のように略歴に年しか記載されていない場合がありますが、このような場合は一律始期を1月としました。また、技術調教師時代については考慮しておらず(データもない)、あくまで調教師試験合格までの在籍のみを見ています。在籍中の役職としては厩務員、調教厩務員、調教助手とあり、それぞれに役割も違うでしょうし、スタッフ出身の調教師はほぼ調教助手から合格している(厩務員から合格したのは森田師のみ)ため、役職について重みをつけるべきかもしれませんが、その軽重が判断できないため、役職による差はつけていません。

・最長在籍人数
開業調教師が所属厩舎にどれだけお世話になったかの指標としては上記在籍月数に近いものがありますが、調教師ごとに最も在籍月数が長かったという厩舎をカウントすることで、長年苦労した調教師から今年の橋田宜長師のような若くして合格した調教師まで、一番お世話になった厩舎を数値化できるように思い確認しました。加藤公太師で言うと在籍期間が最長である大久保龍志厩舎(175ヶ月)からのみ1人カウント、森安弘昭厩舎(15ヶ月)と佐山優厩舎(101ヶ月)からは0人とします。最長期間が複数ある場合は最も後に所属した厩舎を最長在籍としました。

・勝利度数
厩舎出身の調教師が開業後に挙げた中央勝利度数を積み上げたものです。多くの調教師を出した厩舎であっても、開業後の勝利度数があまり伸びていなければそれは育てたと言えるのか、という視点です。これも既に述べた項目に準じ、長く在籍した厩舎に重みをつける目的で開業後の中央勝利度数を厩舎在籍期間で分配しました。中央通算1570勝の藤沢和雄師の場合、菊池一雄厩舎に60ヶ月、佐藤勝美厩舎に12ヶ月、野平祐二厩舎に50ヶ月在籍しているため、菊池一雄厩舎に分配される勝利度数は1570×60÷(60+12+50)=773(小数点以下切り上げで整数値とする)です。以下同様に佐藤勝美厩舎が155、野平祐二厩舎が644です。現役厩舎については2024年末までの勝利度数で集計。この指標の弱いところは、開業間もない調教師や開業前の調教師が所属厩舎の勝利度数にほぼ貢献できないことですが、それもやむなしとして取り扱いました。

結果は以下のとおりです。MVS集計を見越して、MVJのように上位15厩舎について挙げます。

<輩出人数>

順位厩舎輩出人数在籍者(在籍始期順)
1浅野洋一郎6小島茂之奥平雅士小手川準大和田成高木登矢嶋大樹
1池添兼雄6橋口慎介池添学茶木太樹上村洋行東田明士柴田卓
1大久保龍志6矢作芳人高柳大輔今野貞一寺島良加藤公太新谷功一
1加藤征弘6高木登尾形和幸大和田成鈴木慎太郎平岩大典浅利英明
5伊藤正徳5高木登藤原辰雄伊坂重信深山雅史青木孝
5大久保洋吉5土田稔戸田博文高橋文雅尾関知人清水英克
5松田国英5友道康夫角居勝彦高野友和緒方努寺島良
5和田正道5上原博之新開幸一尾関知人和田正一郎武井亮
9加藤和宏4林徹黒岩陽一辻哲英加藤士津八
9国枝栄4勢司和浩奥村武竹内正洋宮田敬介
9栗田博憲4粕谷昌央栗田徹宮田敬介浅利英明
9角居勝彦4吉田直弘辻野泰之村山明吉岡辰弥
9高橋祥泰4後藤由之新開幸一久保田貴士大竹正博
9中竹和也4河嶋宏樹辻野泰之吉岡辰弥橋田宜長
9森秀行4平田修小崎憲新谷功一牧浦充徳

86年以降開業の調教師輩出人数が最も多かったのは6人の4厩舎。加藤征弘厩舎は少々意外ですが、在籍月数が短い出身者が多いです。中竹和也厩舎から出た4人のうち、辻野泰之師と吉岡辰弥師は角居勝彦師の調教停止処分に伴い一時的に移動したものでしょうが、在籍としてカウントしています(同様の事例はすべてカウント)。

<在籍月数>

順位厩舎在籍月数計内訳(在籍月数順)
1池添兼雄590橋口慎介(179)茶木太樹(140)東田明士(96)池添学(94)上村洋行(48)柴田卓(35)
2増本豊507飯田雄三(268)鮫島一歩(239)
3和田正道475新開幸一(195)上原博之(136)和田正一郎(76)武井亮(38)尾関知人(30)
4大久保洋吉434土田稔(170)高橋文雅(137)尾関知人(64)戸田博文(60)清水英克(3)
5大根田裕也362大根田裕之(185)北出成人(170)梅内忍(7)
6伊藤正徳361深山雅史(167)青木孝文(108)藤原辰雄(60)伊坂重信(24)高木登(2)
7伊藤雄二352笹田和秀(279)藤岡健一(73)
8大久保龍志346加藤公太(175)寺島良(87)新谷功一(42)高柳大輔(19)今野貞一(15)矢作芳人(8)
9福島信晴336森田直行(216)昆貢(120)
10角居勝彦335辻野泰之(162)吉岡辰弥(124)吉田直弘(36)村山明(13)
10中尾謙太郎335宮本博(212)角居勝彦(123)
12内藤繁春333木原一良(168)平田修(130)石坂正(35)
13森秀行331小崎憲(108)新谷功一(99)牧浦充徳(85)平田修(39)
14栗田博憲321粕谷昌央(174)栗田徹(94)宮田敬介(39)浅利英明(14)
15安田隆行312安田翔伍(170)高柳大輔(142)

在籍月数は調教師を6人出した池添兼雄厩舎が堂々トップ。既に定年を迎えているためこれ以上記録が伸びることは少ないでしょう(在籍経験のあるスタッフがさらに調教師試験に合格する可能性はあります)が、2位には年数にして7年の差があるので、当分抜かれることはないと思われます。

<最長在籍人数>

順位厩舎最長在籍人数在籍者(在籍始期順)
1池添兼雄5橋口慎介池添学茶木太樹上村洋行東田明士
2和田正道4上原博之新開幸一和田正一郎武井亮
2大久保洋吉4土田稔戸田博文高橋文雅尾関知人
4森秀行3小崎憲新谷功一牧浦充徳
4国枝栄3勢司和浩奥村武宮田敬介
4元石孝昭3河野通文田子冬樹谷原義明
7多数2

輩出人数、在籍月数ともトップの池添兼雄厩舎がここでもトップ。在籍6人中5人までがこの厩舎に最も長く在籍していたことになります。特に池添学師、上村洋行師、茶木太樹師、橋口慎介師の4人は池添兼雄厩舎にしか在籍しておらず、よほどやりやすい職場だったのではと想像されます。ほか元石孝昭厩舎は出身調教師3人がすべて最長在籍者。輩出人数3人以上で「輩出数=最長在籍人数」なのはこの厩舎が唯一です(85年以前開業の調教師に最長ではない在籍経験者がいる可能性はあります)。

<勝利度数>

順位厩舎勝利度数計内訳(勝利度数順)
1山崎彰義1342国枝栄(1090)高木登(252)
2浅見国一1196浅見秀一(666)友道康夫(473)池江泰寿(57)
3大久保洋吉1075土田稔(380)戸田博文(305)尾関知人(234)高橋文雅(153)清水英克(3)
4和田正道1031上原博之(396)和田正一郎(224)新開幸一(178)武井亮(123)尾関知人(110)
5前田禎1003相沢郁(504)斎藤誠(499)
6田中章博992音無秀孝(992)佐藤悠太(0)
7中尾謙太郎981角居勝彦(583)宮本博(398)
8松田国英930高野友和(396)友道康夫(286)角居勝彦(180)寺島良(62)緒方努(6)
9菅谷禎高919矢作芳人(704)西橋豊治(215)
10増本豊910鮫島一歩(590)飯田雄三(320)
11星川薫896藤原英昭(896)
12佐藤全弘851手塚貴久(646)嶋田潤(205)
13戸山為夫830森秀行(830)
14二ノ宮敬宇809堀宣行(782)堀内岳志(17)武井亮(10)
15高橋英夫777宗像義忠(671)久保田貴士(106)

勝利度数のトップは山崎彰義厩舎。国枝栄師が最初から最後まで在籍したことで、1000勝超の国枝栄厩舎の勝利度数がすべて乗ったことが大きいです。浅見国一厩舎は666勝の浅見秀一師の在籍のほか、750勝超の友道康夫師も長く在籍していたのが上位進出の要因。大久保洋吉厩舎と和田正道厩舎は出身の5調教師が満遍なく勝利を挙げています。

<MVS>
以上を基に各要素1位15pt、2位14pt、…、15位1ptと割り振って(同数で並ぶ場合は順位相当のポイントを等しく付与。例えば2位で2厩舎並ぶ場合は両厩舎に14pt)集計した結果が以下です。15pt以上の厩舎のみ。

順位厩舎合計pt輩出pt月数pt最長pt勝利pt
1和田正道5011131412
2大久保洋吉4910121413
3池添兼雄45151515
4大久保龍志321589
5増本豊291496
5伊藤正徳2910109
7山崎彰義24915
7中尾謙太郎24699
9浅見国一23914
10角居勝彦22769
10森秀行227312
12大根田裕也20119
13国枝栄19712
14松田国英18108
14栗田博憲18729
16菅谷禎高1697
16福島信晴1679
16高橋祥泰1679
19浅野洋一郎1515
19加藤征弘1515

トップは和田正道厩舎。2位の大久保洋吉厩舎、3位の池添兼雄厩舎とポイントが近いですが、86年以降開業の厩舎に限ると和田正道厩舎が「MVS」であると結論付けました。トップ3厩舎はいずれもバランスよくポイントを重ねていて、この3厩舎が特に「調教師を育てた厩舎」と言えるのではないかと考えます。3部門トップの池添兼雄厩舎は勝利度数が18位でポイントを重ねられず。ただ近年急伸している現役厩舎を多く抱えているので、この先勝利度数自体はどんどん伸びていきそう。数年後にはトータルで和田正道厩舎や大久保洋吉厩舎を抜く可能性もあります。大久保龍志厩舎は現役厩舎最上位。定年までまだ10年以上ありますし、輩出人数はさらに大きくなることが期待されます。大久保龍志厩舎の場合、今回指標の中では勝利度数があまり大きくないですが、在籍月数が長い加藤公太師が開業して勝利を積み上げるともう少し大きくなるのではないでしょうか。

客観的な数値情報に基づくとはいえ、その解釈は独自の部分が多いので、序盤で述べたようにこの結果は話半分で見てくださるとありがたいです。ただJRAのHPの調教師プロフィール、見る方はそんなにいないでしょうが、ある程度厩舎を知ったうえで見ると「この厩舎にいたんだ」などと発見があると思われ、結構面白いです。是非一度見てみてください。よろしくお願いします。

ドゥラエレーデ号の乗り替わり回数・騎乗騎手は多いと言えるのか

22年のホープフルS単勝90.6倍の人気薄で優勝し、GI馬となったドゥラエレーデ号。現在4歳ですが、未勝利戦脱出はダートであるようにダートも芝も走れること、ホープフルS優勝により賞金を積んでしまったことから、異例のローテーションで走っているのは周知の通りです。先週はエルムSで2着になりましたが、次走は札幌記念と報じられ話題に。また、鞍上予定がテン乗りとなる藤岡佑騎手で、騎乗騎手の多さ、乗り替わりの多さも取り沙汰されます。

このため、「こんなに乗り替わりの多いGI馬もいないのでは」「こんなに騎乗騎手が多いGI馬もいないのでは」という話になりがちですが、ホープフルS優勝後の戦歴を見る限りは、ムルザバエフ騎手が乗れそうな時は極力同騎手を乗せようとしていることも感じられ、果たして言われるほど乗り替わりや騎乗騎手が多いのだろうか、との感想を持っています。印象が先走っていないか、悪い言い方をするとネットのおもちゃになっていないか?ということですね。

そこで、過去のGI馬について、乗り替わりの回数、騎乗騎手の人数を一通り確認し、ドゥラエレーデ号が過去に類を見ないほど乗り替わり・騎乗騎手が多いGI馬なのかを見てみました。対象は86年以降デビューで中央平地GIを優勝した中央所属馬472頭。ただ、「GI馬として」という観点で確認する以上、テンハッピーローズ号やブローザホーン号のように、条件戦時代にいろいろと試行錯誤があった馬と2歳GIを優勝したドゥラエレーデ号を横並びに論じていいかどうかは大いに疑問があるため、原則「中央GI初優勝後」のみの戦績を対象に見ています。すなわち、ドゥラエレーデ号についてもホープフルS優勝を起点に、その後の戦績のみで比較します。マル地馬および中央登録抹消後に地方に移籍した馬は、中央在籍時の戦績だけ見ています。

[ 乗り替わり回数の定義 ]
一つの基準となるドゥラエレーデ号を例にします。同馬はホープフルS優勝後、UAEダービー東京優駿宝塚記念セントライト記念、チャンピオンズC、東京大賞典フェブラリーSドバイWCエルムSと歴戦。UAEダービーホープフルSのムルザバエフ騎手からC.デムーロ騎手に替わっているのでここで1回、以下東京優駿の坂井騎手で2回、宝塚記念の幸騎手で3回、セントライト記念の坂井騎手で4回、チャンピオンズCのムルザバエフ騎手で5回、ここから4戦ムルザバエフ騎手で、エルムSの武騎手で6回。ドゥラエレーデ号の乗り替わり回数は6回とします。次走予定の札幌記念で7回目の予定ですが、出走が確定していないため考慮しません。

[ 騎乗騎手人数の定義 ]
同様にドゥラエレーデ号を例にします。UAEダービー以降同馬に騎乗した騎手は、順にC.デムーロ騎手、坂井騎手、幸騎手、ムルザバエフ騎手、武騎手。騎乗騎手は5人とします。次走予定の札幌記念の扱いは乗り替わり回数と同様です。

この考え方に則って中央GI初優勝後の各馬の乗り替わり回数や騎乗騎手人数を降順で並べました。472頭すべて載せるのは量が多いため上位馬のみです。複数いる場合は中央GI初優勝直近順で並べています。「~など○頭」としている際の代表馬は、グループ内で中央GI初優勝が直近である馬としました。いずれもその多くを目視で算出しているため、多少の間違いがある可能性があります。ご了承ください。

<中央GI初優勝後の乗り替わり回数>

回数馬名
33回ノボトゥルー
29回イーグルカフェ
21回テイエムプリキュア
19回タイムフライヤー
16回ロゴタイプリアルインパクトエイシンチャンプマイネルマックスエルウェーウィン
15回キセキマイネルホウオウグレープブランデーウインクリューガー
14回ペルシアンナイトモーニンワンアンドオンリーグランプリボス
13回マカヒキレジネッタコガネタイフウバンブーメモリー
12回マルセリーナエイシンフラッシュローズキングダムピンクカメオロジックフサイチリシャール
11回アルフレードタイムパラドックスダンスインザムードスティンガー
10回レシステンシアビッグウィークサンテミリオンジャガーメイルオウケンブルースリヴィクトリーデルタブルースレガシーワールドホクトベガ
9回キラーアビリティなど12頭
8回ドルチェモアなど23頭
7回ラウダシオンなど8頭
6回ドゥラエレーデなど24頭
<中央GI初優勝後の騎乗騎手人数>
人数馬名
18人ノボトゥルー
14人テイエムプリキュア
13人タイムフライヤーペルシアンナイトイーグルカフェ
12人グレープブランデー
11人キセキリアルインパクトウインクリューガーエイシンチャンプコガネタイフウ
10人モーニンワンアンドオンリーグランプリボスヴィクトリー
9人ケイティブレイブマカヒキレッドリヴェールマイネルホウオウマルセリーナビッグウィークレジネッタマイネルレコルトマイネルマックスエルウェーウィン
8人ドルチェモアなど16頭
7人モズアスコットなど11頭
6人ジェラルディーナなど33頭
5人ドゥラエレーデなど30頭

ドゥラエレーデ号は確かに乗り替わり回数、騎乗人数とも少なくないのかもしれませんが、他のGI馬に比べたらまだまだ。さらに同年齢・同馬主のドルチェモア号がその上を行っています。ドゥラエレーデ号がある程度走っているから、ローテが異色だから注目される側面はあるでしょうが、ドルチェモア号の乗り替わりや騎手の人数についての話題は観測範囲内ではほぼ見ることがありません。近年ではジェラルディーナ号もエリザベス女王杯優勝後に鞍上がコロコロ替わっていますが、そのことにはほぼ触れられていなかったと記憶しています。ドゥラエレーデ号ばかり取り沙汰されるのには釈然としない思いがあります。

とはいえ最上位のノボトゥルー号はキャリアが長いからこその数字。4歳のドゥラエレーデ号と比較してもキャリアが違いすぎるのが実情です。そこで、2歳GI(阪神JF朝日杯FSホープフルS。前身競走含む)の優勝馬に限り、さらにドゥラエレーデ号が現在4歳であることを勘案して、4歳暮れまでの乗り替わり回数、騎乗人数を確認してみました。 このカウントにはGI優勝前の分も入っています。

<2歳GI優勝馬・4歳までの乗り替わり回数(優勝前含む)>

人数馬名
14回エイシンチャンプ
12回フサイチリシャールテイエムプリキュア
11回サトノアレスグランプリボス
10回ドゥラエレーデ
9回ドルチェモアキラーアビリティタイムフライヤーロゴタイプ
8回レシステンシアコスモサンビームコガネタイフウ
7回サリオスレッドリヴェールタムロチェリーアドマイヤコジーンスティンガー
<2歳GI優勝馬・4歳までの騎乗騎手人数(優勝前含む)>
人数馬名
10人エイシンチャンプ
9人ドゥラエレーデテイエムプリキュア
8人ドルチェモアタイムフライヤーサトノアレスグランプリボスフサイチリシャール
7人キラーアビリティレッドリヴェールコスモサンビームコガネタイフウ
6人サリオスゴスホークケンアドマイヤコジーン
5人レシステンシアロゴタイプローブティサージュローズキングダムマイネルレコルトタムロチェリースティンガー

この括りだとドゥラエレーデ号も上位に来て、特に騎乗人数は札幌記念でトップタイになりそう。とはいえ過去にいなかったほどの人数かというとそうでもなく、乗り替わり回数はまだまだエイシンチャンプ号に及びません。やはり群を抜いた数字とは言えないと思われます。

ということで、「ドゥラエレーデ号の乗り替わり回数・騎乗人数は多いと言えるのか」という問いに対して、現時点の答えとしては「2歳GI馬の4歳シーズンの数字としては多い方だが、断トツとは言えない。ローテ面はともかく、乗り替わりや騎手の人数に関しては類を見ないほどではない」と結論付けるしかないのではと思われます。むしろ、無茶なローテーションの割に抑えられているのではとすら感じます。このあたりは個人の印象でしかなく、読み手によって違う印象を持つでしょうが、主観を除いた客観的な数字としては上掲のとおりなので、あとはこれをもって個々に解釈してくださればと思います。

獲得賞金不完全ランキング(現在の賞金で換算した場合)2023

アーモンドアイ号がヴィクトリアマイルを優勝し、獲得賞金が10億円を突破したと報じられた際に、「昔の馬も含め、すべて現代の賞金に換算して集計し直した場合にどうなるか」という記事を書きました。これがもう3年半前のことです。

https://horsedata.hatenadiary.jp/entry/20200521/1590050337

当時はこれが一回限りの集計、と述べましたしそのつもりでしたが、その後いろいろと状況が変わってきました。まず一つは2023年に発生した、パンサラッサ号のサウジC優勝やウシュバテソーロ号のドバイWC優勝、そしてイクイノックス号の大レースの立て続けの優勝。収得賞金では各馬上位に進出してきて、過去の名馬との比較で賞金面での歪みがだいぶ出てきています。もう一つは一部レースの賞金高騰。3年半前の記事で「ジャパンC有馬記念が1着5億円くらいにならない限り、傾向としては大きく変わらないでしょう」と書いたのですが、ご存知の通り2023年から両レースの1着賞金が5億円に。当時この事態を予見していたわけでは全くないですが、ここまで上がってしまうと見直しが必要になってくるのでは、と考えました。2024年は2024年でNARのダート路線の大改革が待っていますが、まずは現時点で見直しを行うべきと判断しました。

ということで、今回「獲得賞金不完全ランキング(現在の賞金で換算した場合)2023」を行うこととしました。半年以上かけて準備をしていたためか、その間にテイエムオペラオー号をモデルにした記事*1が出たりもしましたが、気にせず出すことにします。前回と大きく違うのは、「中央獲得賞金」ではなく「獲得賞金」としたこと。すなわち、海外重賞、地方重賞も含めた点にあります。これにより、交流重賞を回るダート馬、海外の高額賞金レースを優勝した馬に、前回から浮上する可能性を持たせています。ただし、条件戦、オープン特別、障碍競走の平場オープンは86年より前の馬も含めると算入が困難であるため、「不完全ランキング」を「完全ランキング」とすることはできませんでした。ご了承ください。

賞金の集計ルールは前回に準じており、以下のとおりです。細かいので読み飛ばしても何も問題ありませんが、このくらいはルールを定めて作業しているという表明のようなものです。人によって解釈が異なるところもあるでしょうが、この記事ではこういうルールとした、とご理解ください。今回は将来的に見直しが行えるような整理を行っているので、将来の見直し時もルールは原則変わらないです。

・集計対象は2023年末までの重賞競走とする。85年以前の重賞は「優駿達の蹄跡」*2記載の重賞で集計。オープン特別や一般競走は含まないため、厳密な結果ではない。青葉賞チューリップ賞のように当初オープン特別だったレースは重賞昇格後のみが対象。
中央競馬の本賞金の考え方に則り、重賞5着以内の賞金を加算する。付加賞や特定の競走を優勝して出されるボーナスは加えない。
・地方開催の重賞、海外重賞も5着までが集計対象。4着までしか賞金が出なかった一部の地方重賞は4着までが対象。
・海外重賞はJRA-VAN Data Lab.で記録されたグレードレース(TARGET Frontier JVで参照可能な海外グレードレース)が集計対象。このため、今年オオバンブルマイ号が優勝したザ・ゴールデンイーグルは含まない。
・地方重賞はJRA-VAN Data Lab.で重賞レースとして記録されているレース(TARGET Frontier JVのメニューパネル「成績」プルダウンの「地方成績(重賞レースのみ)」で参照可能なレース)が集計対象。よって、グレードレースのみではなくたんぽぽ賞のような重賞も集計。
・中央は本賞金の1~5着の配分が一律*3だが、地方や海外はレースにより異なる。地方については同じ競馬場でも年により、レースにより配分比率が異なることがあり(南関のように一貫して同比率を用いる地区はほとんどない)、一律化は困難と判断し、各年各レースの配分比率を適用。海外は一部の有名GI以外は配分比率の情報がほとんどないので、わかっているものも含め一律中央と同様とした。
・全競走2023年の1着賞金を適用。一時期に比して賞金が減ったレースも2023年の賞金とする。
・グレードが変わった重賞の場合、グレード変更前の賞金は現行の同グレード類似条件を準用。例えば、GII時代のフェブラリーSはGII相当の賞金、GIII時代はGIII相当の賞金とし、GIの賞金を適用しない。グレードが下がる場合も同様。ただし、ホープフルS(GII)は重賞化当初から賞金がGI並み(通常の2歳GIIの倍近く)だったので、現在と同賞金にする。
・「同グレード類似条件」は同じグレードでも芝ダ障の別、牝限か否かの別、2歳3歳古馬の別、距離体系で賞金が異なるため、それを考慮する。例えば、GIIのフェブラリーSには古馬芝GIIの賞金(同じ芝でも多少の違いはある)を適用するのではなく、古馬ダートGIIの東海Sの賞金を適用する。
・85年以前は86年のグレードを準用。例えば85年以前の弥生賞セントライト記念GIII扱い(86年までGIII、87年からGII)とする。
・中央ノングレード重賞はGIIIとし、現行の同グレード類似条件を準用。
・ジャンプグレード導入前の障碍重賞は中山大障害春・中山大障害秋をGIとする。また、阪神障害S春、東京障害特別春、京都大障害秋をGIIとする(GII競走である阪神スプリングジャンプ東京ハイジャンプ(ジャンプグレード導入当時は春)、京都ハイジャンプ(当時は秋)の代替)。それ以外はGIII
阪神3歳S阪神JFの賞金を用いる。
フェアリーSは2歳12月に施行されていた時期も3歳牝限GIIIの賞金とする。
・3歳限定のエリザベス女王杯秋華賞の賞金を適用。
ビクトリアカップは3歳限定のエリザベス女王杯の前身という経緯を踏まえ、ノングレードながら秋華賞の賞金を適用。
・2011年に東京で行われた南部杯、2018年に京都で行われたJBC3競走は今年の各競走の1着賞金を適用。
・アラブの競走はサラ系競走に比べ賞金が全然違う(安い)ので細かい設定を諦め、セイユウ記念やタマツバキ記念の95年(最終年)の賞金を芝ダ障によらずすべての年に割り当てる。
・日本馬出走時と現在とでグレードが異なる海外重賞の1着賞金は、国内同カテゴリのグレード間の1着賞金比率を2023年の1着賞金にかけて換算。例としてGII時代のドバイシーマクラシックの1着賞金は、古馬中長距離ということで23年の348万米ドル×(6700÷22000)=105.98万米ドルとする。6700万円は阪神大賞典日経賞、22000万円は宝塚記念天皇賞春の1着賞金。
・賞金総額のみ確認できる海外重賞の1着賞金は、総額が国内と同比率で1~5着に与えられるという前提で換算。1着賞金を1とした場合、総額は1+0.4+0.25+0.15+0.1=1.9で表されるため、総額÷1.9=1着賞金となる。
・廃止されたシンガポールの2重賞(シンガポール航空インターナショナルC、クリスフライヤーインターナショナルスプリント)についてはWikipediaから賞金総額を得て、廃止年の2015年と2023年に関して香港Cや香港スプリント(近傍地区の参考レース)の総額比率を算出し、これを適用して総額の割増を行ったうえで、今年換算総額÷1.9で1着賞金を得た。
・海外重賞賞金の日本円換算にあたっての為替レートは2023年12月28日(ホープフルS開催日)の終値を参照した。1米ドル141.39円、1ユーロ156.36円、1ポンド179.99円、1豪ドル96.56円、1香港ドル18.094円、1シンガポールドル107.07円、1ウォン0.1096円。
・存続競馬場で現在施行されていない地方重賞の1着賞金は、現在も行われる代表的な重賞の廃止年の1着賞金と今年の1着賞金を比較し、そのアップ率(もしくはダウン率)を廃止重賞最終年の1着賞金に掛けて算出。もしくは廃止重賞最終年と同等の賞金の現行重賞がある場合、その現行重賞賞金を適用。
・廃止競馬場の地方重賞の1着賞金は、近傍の存続競馬場(旭川岩見沢・帯広は門別、新潟・三条・上山・北関東は金沢、福山は兵庫、中津・荒尾は佐賀)の代表的な重賞の廃止年の1着賞金と今年の1着賞金を比較し、そのアップ率(もしくはダウン率)を廃止重賞最終年の1着賞金に掛けて算出、あるいは同等の重賞と判断した場合現行重賞賞金を適用。北関東は地理的には南関の方が近いが、規模や賞金体系としては金沢の方が近いと判断。福山も地理的には高知の方が交流等もあるが、高知は賞金がV字回復しすぎて参考にならないと判断。

ということで以下が結果です。「換算賞金」が現在の賞金で重賞戦績を手集計した結果、単位万円。「実際の本賞金」が賞金ランキング等で表に出る数字と思ってください(こちらには一般競走の結果も含みます)。「実際の本賞金」の集計結果はTARGET frontier JV(元データはJRA-VAN DataLab.)によるJRA本賞金。86年以前も走った競走馬の賞金はWikipediaを参照しており(付加賞金等が含まれている?)、万円未満四捨五入です。前回は上位50頭としましたが、今回は換算賞金10億円以上の馬を全馬含み、かつ切りのいい数字ということで120位まで示すこととしました。以下のテキストにおける金額はすべて換算賞金です。(追記)以下のリストにおいて、パンサラッサ号のドバイターフの1着同着賞金を単独1着として扱ってしまっていますのでご注意ください。

<1~40位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
1テイエムオペラオー314,060314,060175,787
2ジェンティルドンナ299,240230,35568,885125,190
3キタサンブラック281,680281,680181,320
4シンボリルドルフ278,000278,00066,570
5オルフェーヴル272,835234,78038,055122,220
6アーモンドアイ253,703212,70041,003144,580
7ディープインパクト251,500251,500132,400
8スピードシンボリ242,725242,72516,321
9オグリキャップ242,100240,9001,20088,830
10イクイノックス239,004189,80049,204172,500
11ゴールドシップ223,210223,210130,820
12ブエナビスタ222,231202,55019,681130,580
13ウオッカ211,851205,6106,241123,200
14ゼンノロブロイ207,767204,5603,207108,680
15ヴィクトワールピサ207,681109,10098,58155,180
16パンサラッサ206,59324,200182,39329,810
17スペシャルウィーク206,000206,000102,400
18シンボリクリスエス194,000194,00095,550
19シンザン176,700176,7006,022
20ナリタブライアン171,760171,76089,510
21クロノジェネシス171,731152,05019,681107,750
22アドマイヤムーン171,040109,00062,04072,800
23コントレイル169,500169,500110,800
24ダイワメジャー169,166158,91510,25194,540
25リスグラシュー164,921119,78045,14186,560
26メジロマックイーン164,600164,60099,810
27モーリス162,83973,31089,52952,300
28シュヴァルグラン159,046139,36519,68199,020
29トウカイテイオー158,900158,90060,470
30メイショウサムソン158,080158,08098,150
31タップダンスシチー157,785157,785106,880
32ハクチカラ156,240156,2401,657
33ハーツクライ155,139103,43051,70953,720
34テンポイント153,475153,47532,842
35グラスワンダー153,270153,27067,740
36リユウフオーレル152,460152,4603,868
37アンバーシャダイ151,720151,72046,205
38グリーングラス149,940149,94032,845
39アグネスデジタル146,32478,72520,80846,79153,020
40ロードカナロア144,80092,11052,69065,140

<41~80位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
41トウショウボーイ144,620144,62028,077
42エイシンプレストン144,50056,86087,64048,400
43スワーヴリチャード143,026130,72512,30187,310
44ステイゴールド141,748102,44539,30375,430
45ホッコータルマエ141,03634,17597,0209,84134,380
46マヤノトップガン139,705139,70575,309
47カネミノブ139,040139,04034,056
48シャフリヤール138,18975,51062,67956,760
49ミホシンザン136,875136,87548,468
50エアグルーヴ136,530136,53078,350
51ヴァーミリアン136,08138,52082,80014,76137,820
52ウシュバテソーロ134,81932,000102,81911,845
53メイショウドトウ134,555134,55590,900
54ドリームジャーニー134,440134,44083,520
55チュウワウィザード133,56524,60045,00063,96527,410
56カブトシロー132,295132,2957,381
57グランアレグリア132,250132,250102,750
58ジャスタウェイ131,95390,95041,00358,440
59ダイワスカーレット131,780131,78074,400
60ナリタトップロード131,675131,67592,270
61ビワハヤヒデ130,300130,30081,740
62エイシンフラッシュ126,956120,5106,44670,600
63レイデオロ125,236117,8557,38184,600
64カツラギエース124,220124,22041,068
65コパノリッキー123,90032,50091,40029,950
66タマモクロス123,200123,20048,967
67メジロブライト122,370122,37081,130
68ラヴズオンリーユー122,03732,77089,26731,050
69ニッポーテイオー121,015121,01554,390
70オンワードゼア120,910120,9101,148
71ミスターシービー120,660120,66040,960
72ハイセイコー120,005120,00521,957
73タイトルホルダー118,350118,350102,000
74サトノダイヤモンド117,149116,97517481,420
75カンパニー116,325116,32592,340
76ジャングルポケット116,130116,13065,400
77エスポワールシチー115,82048,21067,61052,200
78キタノオー115,235115,2351,340
79シーザー114,775114,7752,731
80スーパークリーク113,950113,95055,610

<81~120位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
81エピファネイア113,753109,8853,86863,080
82メジロアサマ113,250113,25018,737
83エフフォーリア113,000113,00073,510
84タニノチカラ111,460111,46021,424
85トウメイ111,040111,04015,097
86コスモバルク110,27272,9853,20534,08244,940
87イナリワン110,120110,12040,430
88メイズイ108,960108,9603,539
89メイヂヒカリ108,240108,2401,043
90ドウデュース108,034107,86017499,100
91ホウヨウボーイ108,010108,01027,466
92ラブリーデイ107,85998,5209,33978,670
93アカネテンリュウ107,680107,68014,260
94サクラローレル107,280107,28061,550
95ライスシャワー106,985106,98566,240
96モンテプリンス106,830106,83034,787
97ヴィブロス106,72519,95086,77518,180
98ヒシアマゾン106,610106,61068,690
99ウインブライト105,97229,12076,85229,550
100オンスロート105,775105,7752,024
101カツラノハイセイコ105,585105,58531,216
102リアルスティール105,54954,29551,25439,600
103スマートファルコン104,790104,7905,980
104サクラショウリ104,460104,46030,361
105ゴールドアクター104,380104,38073,025
106ローズキングダム104,155104,15566,500
107ホマレボシ103,475103,4752,006
108デルタブルース102,96853,24049,72835,780
109ルーラーシップ102,75976,97525,78454,270
110ブルーコンコルド100,68029,53071,15036,420
111コダマ100,175100,1751,816
112キセキ100,11795,9604,15766,550
113トランセンド100,03353,7706,90039,36355,950
114ヤマトキヨウダイ99,97599,9753,195
115タイキシャトル99,68490,7508,93459,710
116ニホンピロウイナー99,36599,36548,160
117フィエールマン98,63098,63067,400
118エルコンドルパサー98,57575,08023,49511,145
119フリオーソ98,3854,80093,5853,800
120グローリーヴェイズ98,32033,29065,03030,530

3年半前にはテイエムオペラオー号しかいなかった20億円ホースが10頭超になり、テイエムオペラオー号に至っては30億円ホースに。上位馬は有馬記念ジャパンCの1着賞金5億円の影響を大きく受けており、この2競走は賞金面ではバランスブレイカーになっていることがよくわかります。続くのはジェンティルドンナ号。ドバイシーマクラシックの2年連続連対が大きく、キタサンブラック号などを交わしました。円安の影響もあるでしょうが、1ドル120円としても海外賞金が1億円程度目減りするだけで、1ドル100円前後の円高にならない限りはキタサンブラック号を上回ります。ジェンティルドンナ号は海外を除きJRAだけで見ても、同じ三冠牝馬のアーモンドアイ号を上回ります。ジェンティルドンナ号の場合、ジャパンCを2勝、有馬記念を1勝しているので、これで15億円相当になっているのが大きそうです。前回も述べましたが近年の馬が多い中でシンボリルドルフ号、スピードシンボリ号、オグリキャップ号が上位におり、当時の国内実績が圧倒的であったことが見て取れます。

有馬記念ジャパンCも優勝していない馬の最上位はダイワメジャー号、次いでメジロマックイーン号、メイショウサムソン号と続きます。ダイワメジャー号は賞金面でのアドバンテージが小さいマイル~2000mを主に走ってこの位置、モーリス号やロードカナロア号より上にいるので、現役期間が少し長かったとはいえ相当な名馬であると言えるのかもしれません。

中央獲得賞金のない(JRA重賞で5着以内がない)馬の最上位は52位につけているウシュバテソーロ号。ウシュバテソーロ号は23年大活躍でしたが、中央ではOP特別2勝馬で中央重賞には出走すらしていません。2024年はサウジCとドバイWCを転戦する話もあるようで、中央重賞出走歴がないのに獲得賞金が日本馬歴代1位になる可能性もあります。以下、スマートファルコン号(103位)、ボンネビルレコード号(482位・4.66億円)、マキバスナイパー号(511位・4.52億円)、サプライズパワー号(535位・4.40億円)と続きます。ただ地方重賞についてはTARGET frontier JVから確認できるものだけとしているので、取りこぼしもあり、それによって結果が変わる可能性があることはご了承ください。

前回は牝馬の上位馬、障碍競走の上位馬を並べましたが、そのあたりは基本的に大きく変わっていないので今回は割愛して、地方獲得賞金の賞金上位馬、海外獲得賞金の賞金上位馬を抽出してみました。

<地方獲得賞金上位15頭>

順位馬名換算賞金合計地方換算賞金中央換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
1スマートファルコン104,790104,7905,980
2ホッコータルマエ141,03697,02034,1759,84134,380
3フリオーソ98,38593,5854,8003,800
4コパノリッキー123,90091,40032,50029,950
5ヴァーミリアン136,08182,80038,52014,76137,820
6アブクマポーロ78,20072,7005,5005,800
7ブルーコンコルド100,68071,15029,53036,420
8オメガパフューム86,75068,20018,55020,770
9エスポワールシチー115,82067,61048,21052,200
10アジュディミツオー67,53566,935600590
11ケイティブレイブ79,76861,18818,58020,080
12タイムパラドックス86,23558,13028,10543,050
13サウンドトゥルー70,58153,65616,92526,135
14ワンダーアキュート90,28052,86037,42046,580
15スーニ50,35848,1582,2005,670

地方獲得賞金のトップはスマートファルコン号。通算23勝の実績は伊達ではなく、唯一の10億円超えです。上位15頭の中に現役馬はおらず(現役最上位はウシュバテソーロ号の3.2億円)、地方10億円ホースはもう現れない可能性も。これについては先ほどの中央獲得賞金ゼロ馬の上位馬と同様、地方重賞の取りこぼしが影響する可能性はありますが、ここで示される馬はグレードレースの実績馬ばかりなので大きくは変わらないと思われます。

<海外獲得賞金上位15頭>

順位馬名換算賞金合計海外換算賞金中央換算賞金地方換算賞金実際の本賞金
1パンサラッサ206,593182,39324,20029,810
2ウシュバテソーロ134,819102,81932,00011,845
3ヴィクトワールピサ207,68198,581109,10055,180
4モーリス162,83989,52973,31052,300
5ラヴズオンリーユー122,03789,26732,77031,050
6エイシンプレストン144,50087,64056,86048,400
7ヴィブロス106,72586,77519,95018,180
8ウインブライト105,97276,85229,12029,550
9ジェンティルドンナ299,24068,885230,355125,190
10グローリーヴェイズ98,32065,03033,29030,530
11チュウワウィザード133,56563,96524,60045,00027,410
12シャフリヤール138,18962,67975,51056,760
13アドマイヤムーン171,04062,040109,00072,800
14ロードカナロア144,80052,69092,11065,140
15ハーツクライ155,13951,709103,43053,720

海外獲得賞金はさすがにパンサラッサ号が最上位。23年サウジCで14億円、22年ドバイターフで4億円を稼いでいます。上位3頭はいずれもサウジCあるいはドバイWCの優勝馬で、この2競走の賞金の高さが伺えます。また、エイシンプレストン号やウインブライト号、グローリーヴェイズ号が上位にいることや、ロードカナロア号が存外低いことから、香港の中距離競走と短距離競走で賞金面に開きがあることがわかります(香港Cの1着賞金は香港スプリントのおよそ1.5倍)。

今回、何かの節目で見直しができるようにデータ整理は行ったものの、前回と今回を比較すると競走実績の横並びによる可視化はやれるだけのことを概ねやった印象があります。最初に述べたように今年は地方ダート路線大改革が待っていますが、有馬記念ジャパンC並みと言わないまでも、1着賞金2億円程度の交流重賞が複数出てこないと(具体的には東京大賞典帝王賞JBCクラシックなど古馬の頂点レースが軒並みそのくらいにならないと)上位馬の傾向は変わらないのだろうと思われます。強いて言うなら、公開されている地方重賞をすべて取り込むかどうかですね。整理がだいぶ進んだ段階で、TARGETよりNAR公式の重賞結果を参照すればより網羅できると気づいたのですが、やり直すと時間が足りなくなると判断してやめていました。骨が折れるうえに上位に影響しないことは明らかなので、現時点ではやるかもしれない程度に保留しておきます。