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獲得賞金不完全ランキング(現在の賞金で換算した場合)2023

アーモンドアイ号がヴィクトリアマイルを優勝し、獲得賞金が10億円を突破したと報じられた際に、「昔の馬も含め、すべて現代の賞金に換算して集計し直した場合にどうなるか」という記事を書きました。これがもう3年半前のことです。

https://horsedata.hatenadiary.jp/entry/20200521/1590050337

当時はこれが一回限りの集計、と述べましたしそのつもりでしたが、その後いろいろと状況が変わってきました。まず一つは2023年に発生した、パンサラッサ号のサウジC優勝やウシュバテソーロ号のドバイWC優勝、そしてイクイノックス号の大レースの立て続けの優勝。収得賞金では各馬上位に進出してきて、過去の名馬との比較で賞金面での歪みがだいぶ出てきています。もう一つは一部レースの賞金高騰。3年半前の記事で「ジャパンC有馬記念が1着5億円くらいにならない限り、傾向としては大きく変わらないでしょう」と書いたのですが、ご存知の通り2023年から両レースの1着賞金が5億円に。当時この事態を予見していたわけでは全くないですが、ここまで上がってしまうと見直しが必要になってくるのでは、と考えました。2024年は2024年でNARのダート路線の大改革が待っていますが、まずは現時点で見直しを行うべきと判断しました。

ということで、今回「獲得賞金不完全ランキング(現在の賞金で換算した場合)2023」を行うこととしました。半年以上かけて準備をしていたためか、その間にテイエムオペラオー号をモデルにした記事*1が出たりもしましたが、気にせず出すことにします。前回と大きく違うのは、「中央獲得賞金」ではなく「獲得賞金」としたこと。すなわち、海外重賞、地方重賞も含めた点にあります。これにより、交流重賞を回るダート馬、海外の高額賞金レースを優勝した馬に、前回から浮上する可能性を持たせています。ただし、条件戦、オープン特別、障碍競走の平場オープンは86年より前の馬も含めると算入が困難であるため、「不完全ランキング」を「完全ランキング」とすることはできませんでした。ご了承ください。

賞金の集計ルールは前回に準じており、以下のとおりです。細かいので読み飛ばしても何も問題ありませんが、このくらいはルールを定めて作業しているという表明のようなものです。人によって解釈が異なるところもあるでしょうが、この記事ではこういうルールとした、とご理解ください。今回は将来的に見直しが行えるような整理を行っているので、将来の見直し時もルールは原則変わらないです。

・集計対象は2023年末までの重賞競走とする。85年以前の重賞は「優駿達の蹄跡」*2記載の重賞で集計。オープン特別や一般競走は含まないため、厳密な結果ではない。青葉賞チューリップ賞のように当初オープン特別だったレースは重賞昇格後のみが対象。
中央競馬の本賞金の考え方に則り、重賞5着以内の賞金を加算する。付加賞や特定の競走を優勝して出されるボーナスは加えない。
・地方開催の重賞、海外重賞も5着までが集計対象。4着までしか賞金が出なかった一部の地方重賞は4着までが対象。
・海外重賞はJRA-VAN Data Lab.で記録されたグレードレース(TARGET Frontier JVで参照可能な海外グレードレース)が集計対象。このため、今年オオバンブルマイ号が優勝したザ・ゴールデンイーグルは含まない。
・地方重賞はJRA-VAN Data Lab.で重賞レースとして記録されているレース(TARGET Frontier JVのメニューパネル「成績」プルダウンの「地方成績(重賞レースのみ)」で参照可能なレース)が集計対象。よって、グレードレースのみではなくたんぽぽ賞のような重賞も集計。
・中央は本賞金の1~5着の配分が一律*3だが、地方や海外はレースにより異なる。地方については同じ競馬場でも年により、レースにより配分比率が異なることがあり(南関のように一貫して同比率を用いる地区はほとんどない)、一律化は困難と判断し、各年各レースの配分比率を適用。海外は一部の有名GI以外は配分比率の情報がほとんどないので、わかっているものも含め一律中央と同様とした。
・全競走2023年の1着賞金を適用。一時期に比して賞金が減ったレースも2023年の賞金とする。
・グレードが変わった重賞の場合、グレード変更前の賞金は現行の同グレード類似条件を準用。例えば、GII時代のフェブラリーSはGII相当の賞金、GIII時代はGIII相当の賞金とし、GIの賞金を適用しない。グレードが下がる場合も同様。ただし、ホープフルS(GII)は重賞化当初から賞金がGI並み(通常の2歳GIIの倍近く)だったので、現在と同賞金にする。
・「同グレード類似条件」は同じグレードでも芝ダ障の別、牝限か否かの別、2歳3歳古馬の別、距離体系で賞金が異なるため、それを考慮する。例えば、GIIのフェブラリーSには古馬芝GIIの賞金(同じ芝でも多少の違いはある)を適用するのではなく、古馬ダートGIIの東海Sの賞金を適用する。
・85年以前は86年のグレードを準用。例えば85年以前の弥生賞セントライト記念GIII扱い(86年までGIII、87年からGII)とする。
・中央ノングレード重賞はGIIIとし、現行の同グレード類似条件を準用。
・ジャンプグレード導入前の障碍重賞は中山大障害春・中山大障害秋をGIとする。また、阪神障害S春、東京障害特別春、京都大障害秋をGIIとする(GII競走である阪神スプリングジャンプ東京ハイジャンプ(ジャンプグレード導入当時は春)、京都ハイジャンプ(当時は秋)の代替)。それ以外はGIII
阪神3歳S阪神JFの賞金を用いる。
フェアリーSは2歳12月に施行されていた時期も3歳牝限GIIIの賞金とする。
・3歳限定のエリザベス女王杯秋華賞の賞金を適用。
ビクトリアカップは3歳限定のエリザベス女王杯の前身という経緯を踏まえ、ノングレードながら秋華賞の賞金を適用。
・2011年に東京で行われた南部杯、2018年に京都で行われたJBC3競走は今年の各競走の1着賞金を適用。
・アラブの競走はサラ系競走に比べ賞金が全然違う(安い)ので細かい設定を諦め、セイユウ記念やタマツバキ記念の95年(最終年)の賞金を芝ダ障によらずすべての年に割り当てる。
・日本馬出走時と現在とでグレードが異なる海外重賞の1着賞金は、国内同カテゴリのグレード間の1着賞金比率を2023年の1着賞金にかけて換算。例としてGII時代のドバイシーマクラシックの1着賞金は、古馬中長距離ということで23年の348万米ドル×(6700÷22000)=105.98万米ドルとする。6700万円は阪神大賞典日経賞、22000万円は宝塚記念天皇賞春の1着賞金。
・賞金総額のみ確認できる海外重賞の1着賞金は、総額が国内と同比率で1~5着に与えられるという前提で換算。1着賞金を1とした場合、総額は1+0.4+0.25+0.15+0.1=1.9で表されるため、総額÷1.9=1着賞金となる。
・廃止されたシンガポールの2重賞(シンガポール航空インターナショナルC、クリスフライヤーインターナショナルスプリント)についてはWikipediaから賞金総額を得て、廃止年の2015年と2023年に関して香港Cや香港スプリント(近傍地区の参考レース)の総額比率を算出し、これを適用して総額の割増を行ったうえで、今年換算総額÷1.9で1着賞金を得た。
・海外重賞賞金の日本円換算にあたっての為替レートは2023年12月28日(ホープフルS開催日)の終値を参照した。1米ドル141.39円、1ユーロ156.36円、1ポンド179.99円、1豪ドル96.56円、1香港ドル18.094円、1シンガポールドル107.07円、1ウォン0.1096円。
・存続競馬場で現在施行されていない地方重賞の1着賞金は、現在も行われる代表的な重賞の廃止年の1着賞金と今年の1着賞金を比較し、そのアップ率(もしくはダウン率)を廃止重賞最終年の1着賞金に掛けて算出。もしくは廃止重賞最終年と同等の賞金の現行重賞がある場合、その現行重賞賞金を適用。
・廃止競馬場の地方重賞の1着賞金は、近傍の存続競馬場(旭川岩見沢・帯広は門別、新潟・三条・上山・北関東は金沢、福山は兵庫、中津・荒尾は佐賀)の代表的な重賞の廃止年の1着賞金と今年の1着賞金を比較し、そのアップ率(もしくはダウン率)を廃止重賞最終年の1着賞金に掛けて算出、あるいは同等の重賞と判断した場合現行重賞賞金を適用。北関東は地理的には南関の方が近いが、規模や賞金体系としては金沢の方が近いと判断。福山も地理的には高知の方が交流等もあるが、高知は賞金がV字回復しすぎて参考にならないと判断。

ということで以下が結果です。「換算賞金」が現在の賞金で重賞戦績を手集計した結果、単位万円。「実際の本賞金」が賞金ランキング等で表に出る数字と思ってください(こちらには一般競走の結果も含みます)。「実際の本賞金」の集計結果はTARGET frontier JV(元データはJRA-VAN DataLab.)によるJRA本賞金。86年以前も走った競走馬の賞金はWikipediaを参照しており(付加賞金等が含まれている?)、万円未満四捨五入です。前回は上位50頭としましたが、今回は換算賞金10億円以上の馬を全馬含み、かつ切りのいい数字ということで120位まで示すこととしました。以下のテキストにおける金額はすべて換算賞金です。(追記)以下のリストにおいて、パンサラッサ号のドバイターフの1着同着賞金を単独1着として扱ってしまっていますのでご注意ください。

<1~40位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
1テイエムオペラオー314,060314,060175,787
2ジェンティルドンナ299,240230,35568,885125,190
3キタサンブラック281,680281,680181,320
4シンボリルドルフ278,000278,00066,570
5オルフェーヴル272,835234,78038,055122,220
6アーモンドアイ253,703212,70041,003144,580
7ディープインパクト251,500251,500132,400
8スピードシンボリ242,725242,72516,321
9オグリキャップ242,100240,9001,20088,830
10イクイノックス239,004189,80049,204172,500
11ゴールドシップ223,210223,210130,820
12ブエナビスタ222,231202,55019,681130,580
13ウオッカ211,851205,6106,241123,200
14ゼンノロブロイ207,767204,5603,207108,680
15ヴィクトワールピサ207,681109,10098,58155,180
16パンサラッサ206,59324,200182,39329,810
17スペシャルウィーク206,000206,000102,400
18シンボリクリスエス194,000194,00095,550
19シンザン176,700176,7006,022
20ナリタブライアン171,760171,76089,510
21クロノジェネシス171,731152,05019,681107,750
22アドマイヤムーン171,040109,00062,04072,800
23コントレイル169,500169,500110,800
24ダイワメジャー169,166158,91510,25194,540
25リスグラシュー164,921119,78045,14186,560
26メジロマックイーン164,600164,60099,810
27モーリス162,83973,31089,52952,300
28シュヴァルグラン159,046139,36519,68199,020
29トウカイテイオー158,900158,90060,470
30メイショウサムソン158,080158,08098,150
31タップダンスシチー157,785157,785106,880
32ハクチカラ156,240156,2401,657
33ハーツクライ155,139103,43051,70953,720
34テンポイント153,475153,47532,842
35グラスワンダー153,270153,27067,740
36リユウフオーレル152,460152,4603,868
37アンバーシャダイ151,720151,72046,205
38グリーングラス149,940149,94032,845
39アグネスデジタル146,32478,72520,80846,79153,020
40ロードカナロア144,80092,11052,69065,140

<41~80位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
41トウショウボーイ144,620144,62028,077
42エイシンプレストン144,50056,86087,64048,400
43スワーヴリチャード143,026130,72512,30187,310
44ステイゴールド141,748102,44539,30375,430
45ホッコータルマエ141,03634,17597,0209,84134,380
46マヤノトップガン139,705139,70575,309
47カネミノブ139,040139,04034,056
48シャフリヤール138,18975,51062,67956,760
49ミホシンザン136,875136,87548,468
50エアグルーヴ136,530136,53078,350
51ヴァーミリアン136,08138,52082,80014,76137,820
52ウシュバテソーロ134,81932,000102,81911,845
53メイショウドトウ134,555134,55590,900
54ドリームジャーニー134,440134,44083,520
55チュウワウィザード133,56524,60045,00063,96527,410
56カブトシロー132,295132,2957,381
57グランアレグリア132,250132,250102,750
58ジャスタウェイ131,95390,95041,00358,440
59ダイワスカーレット131,780131,78074,400
60ナリタトップロード131,675131,67592,270
61ビワハヤヒデ130,300130,30081,740
62エイシンフラッシュ126,956120,5106,44670,600
63レイデオロ125,236117,8557,38184,600
64カツラギエース124,220124,22041,068
65コパノリッキー123,90032,50091,40029,950
66タマモクロス123,200123,20048,967
67メジロブライト122,370122,37081,130
68ラヴズオンリーユー122,03732,77089,26731,050
69ニッポーテイオー121,015121,01554,390
70オンワードゼア120,910120,9101,148
71ミスターシービー120,660120,66040,960
72ハイセイコー120,005120,00521,957
73タイトルホルダー118,350118,350102,000
74サトノダイヤモンド117,149116,97517481,420
75カンパニー116,325116,32592,340
76ジャングルポケット116,130116,13065,400
77エスポワールシチー115,82048,21067,61052,200
78キタノオー115,235115,2351,340
79シーザー114,775114,7752,731
80スーパークリーク113,950113,95055,610

<81~120位>

順位馬名換算賞金合計中央換算賞金地方換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
81エピファネイア113,753109,8853,86863,080
82メジロアサマ113,250113,25018,737
83エフフォーリア113,000113,00073,510
84タニノチカラ111,460111,46021,424
85トウメイ111,040111,04015,097
86コスモバルク110,27272,9853,20534,08244,940
87イナリワン110,120110,12040,430
88メイズイ108,960108,9603,539
89メイヂヒカリ108,240108,2401,043
90ドウデュース108,034107,86017499,100
91ホウヨウボーイ108,010108,01027,466
92ラブリーデイ107,85998,5209,33978,670
93アカネテンリュウ107,680107,68014,260
94サクラローレル107,280107,28061,550
95ライスシャワー106,985106,98566,240
96モンテプリンス106,830106,83034,787
97ヴィブロス106,72519,95086,77518,180
98ヒシアマゾン106,610106,61068,690
99ウインブライト105,97229,12076,85229,550
100オンスロート105,775105,7752,024
101カツラノハイセイコ105,585105,58531,216
102リアルスティール105,54954,29551,25439,600
103スマートファルコン104,790104,7905,980
104サクラショウリ104,460104,46030,361
105ゴールドアクター104,380104,38073,025
106ローズキングダム104,155104,15566,500
107ホマレボシ103,475103,4752,006
108デルタブルース102,96853,24049,72835,780
109ルーラーシップ102,75976,97525,78454,270
110ブルーコンコルド100,68029,53071,15036,420
111コダマ100,175100,1751,816
112キセキ100,11795,9604,15766,550
113トランセンド100,03353,7706,90039,36355,950
114ヤマトキヨウダイ99,97599,9753,195
115タイキシャトル99,68490,7508,93459,710
116ニホンピロウイナー99,36599,36548,160
117フィエールマン98,63098,63067,400
118エルコンドルパサー98,57575,08023,49511,145
119フリオーソ98,3854,80093,5853,800
120グローリーヴェイズ98,32033,29065,03030,530

3年半前にはテイエムオペラオー号しかいなかった20億円ホースが10頭超になり、テイエムオペラオー号に至っては30億円ホースに。上位馬は有馬記念ジャパンCの1着賞金5億円の影響を大きく受けており、この2競走は賞金面ではバランスブレイカーになっていることがよくわかります。続くのはジェンティルドンナ号。ドバイシーマクラシックの2年連続連対が大きく、キタサンブラック号などを交わしました。円安の影響もあるでしょうが、1ドル120円としても海外賞金が1億円程度目減りするだけで、1ドル100円前後の円高にならない限りはキタサンブラック号を上回ります。ジェンティルドンナ号は海外を除きJRAだけで見ても、同じ三冠牝馬のアーモンドアイ号を上回ります。ジェンティルドンナ号の場合、ジャパンCを2勝、有馬記念を1勝しているので、これで15億円相当になっているのが大きそうです。前回も述べましたが近年の馬が多い中でシンボリルドルフ号、スピードシンボリ号、オグリキャップ号が上位におり、当時の国内実績が圧倒的であったことが見て取れます。

有馬記念ジャパンCも優勝していない馬の最上位はメジロマックイーン号、次いでダイワメジャー号、メイショウサムソン号と続きます。ダイワメジャー号は賞金面でのアドバンテージが小さいマイル~2000mを主に走ってこの位置、モーリス号やロードカナロア号より上にいるので、現役期間が少し長かったとはいえ相当な名馬であると言えるのかもしれません。

中央獲得賞金のない(JRA重賞で5着以内がない)馬の最上位は52位につけているウシュバテソーロ号。ウシュバテソーロ号は23年大活躍でしたが、中央ではOP特別2勝馬で中央重賞には出走すらしていません。2024年はサウジCとドバイWCを転戦する話もあるようで、中央重賞出走歴がないのに獲得賞金が日本馬歴代1位になる可能性もあります。以下、スマートファルコン号(103位)、ボンネビルレコード号(482位・4.66億円)、マキバスナイパー号(511位・4.52億円)、サプライズパワー号(535位・4.40億円)と続きます。ただ地方重賞についてはTARGET frontier JVから確認できるものだけとしているので、取りこぼしもあり、それによって結果が変わる可能性があることはご了承ください。

前回は牝馬の上位馬、障碍競走の上位馬を並べましたが、そのあたりは基本的に大きく変わっていないので今回は割愛して、地方獲得賞金の賞金上位馬、海外獲得賞金の賞金上位馬を抽出してみました。

<地方獲得賞金上位15頭>

順位馬名換算賞金合計地方換算賞金中央換算賞金海外換算賞金実際の本賞金
1スマートファルコン104,790104,7905,980
2ホッコータルマエ141,03697,02034,1759,84134,380
3フリオーソ98,38593,5854,8003,800
4コパノリッキー123,90091,40032,50029,950
5ヴァーミリアン136,08182,80038,52014,76137,820
6アブクマポーロ78,20072,7005,5005,800
7ブルーコンコルド100,68071,15029,53036,420
8オメガパフューム86,75068,20018,55020,770
9エスポワールシチー115,82067,61048,21052,200
10アジュディミツオー67,53566,935600590
11ケイティブレイブ79,76861,18818,58020,080
12タイムパラドックス86,23558,13028,10543,050
13サウンドトゥルー70,58153,65616,92526,135
14ワンダーアキュート90,28052,86037,42046,580
15スーニ50,35848,1582,2005,670

地方獲得賞金のトップはスマートファルコン号。通算23勝の実績は伊達ではなく、唯一の10億円超えです。上位15頭の中に現役馬はおらず(現役最上位はウシュバテソーロ号の3.2億円)、地方10億円ホースはもう現れない可能性も。これについては先ほどの中央獲得賞金ゼロ馬の上位馬と同様、地方重賞の取りこぼしが影響する可能性はありますが、ここで示される馬はグレードレースの実績馬ばかりなので大きくは変わらないと思われます。

<海外獲得賞金上位15頭>

順位馬名換算賞金合計海外換算賞金中央換算賞金地方換算賞金実際の本賞金
1パンサラッサ206,593182,39324,20029,810
2ウシュバテソーロ134,819102,81932,00011,845
3ヴィクトワールピサ207,68198,581109,10055,180
4モーリス162,83989,52973,31052,300
5ラヴズオンリーユー122,03789,26732,77031,050
6エイシンプレストン144,50087,64056,86048,400
7ヴィブロス106,72586,77519,95018,180
8ウインブライト105,97276,85229,12029,550
9ジェンティルドンナ299,24068,885230,355125,190
10グローリーヴェイズ98,32065,03033,29030,530
11チュウワウィザード133,56563,96524,60045,00027,410
12シャフリヤール138,18962,67975,51056,760
13アドマイヤムーン171,04062,040109,00072,800
14ロードカナロア144,80052,69092,11065,140
15ハーツクライ155,13951,709103,43053,720

海外獲得賞金はさすがにパンサラッサ号が最上位。23年サウジCで14億円、22年ドバイターフで4億円を稼いでいます。上位3頭はいずれもサウジCあるいはドバイWCの優勝馬で、この2競走の賞金の高さが伺えます。また、エイシンプレストン号やウインブライト号、グローリーヴェイズ号が上位にいることや、ロードカナロア号が存外低いことから、香港の中距離競走と短距離競走で賞金面に開きがあることがわかります(香港Cの1着賞金は香港スプリントのおよそ1.5倍)。

今回、何かの節目で見直しができるようにデータ整理は行ったものの、前回と今回を比較すると競走実績の横並びによる可視化はやれるだけのことを概ねやった印象があります。最初に述べたように今年は地方ダート路線大改革が待っていますが、有馬記念ジャパンC並みと言わないまでも、1着賞金2億円程度の交流重賞が複数出てこないと(具体的には東京大賞典帝王賞JBCクラシックなど古馬の頂点レースが軒並みそのくらいにならないと)上位馬の傾向は変わらないのだろうと思われます。強いて言うなら、公開されている地方重賞をすべて取り込むかどうかですね。整理がだいぶ進んだ段階で、TARGETよりNAR公式の重賞結果を参照すればより網羅できると気づいたのですが、やり直すと時間が足りなくなると判断してやめていました。骨が折れるうえに上位に影響しないことは明らかなので、現時点ではやるかもしれない程度に保留しておきます。