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オープン特別の主を探す

先週の栗東Sにワールドハンター号が出走。これで21戦連続オープン特別競走に出走となりました。収得賞金2,000万円前後の馬、特に長年賞金を加算できていない高齢馬は重賞にはなかなか出走できないですし、賞金別定戦でも斤量を背負わされることがないので、オープン特別競走を中心に使われることになりますが、これだけオープン特別競走で使われ続けるのも珍しいように思います。オープン特別競走では強いけど重賞ではいまいち、といった馬を揶揄するように「オープン大将」と呼ぶことがありますが、案外とワールドハンター号のような馬こそオープン大将と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。いや、「オープン特別の主」とでも呼べばいいんでしょうかね。
では、ワールドハンター号以上にオープン特別の主にふさわしい馬はいるのでしょうか。オープン特別競走の出走回数を鍵に、オープン特別競走を彩った競走馬を並べてみました。古馬オープン特別競走に20回以上出走した馬、1986年以降で抽出しています。


OP特別出走回数馬名OP特別連続出走回数OP特別優勝回数重賞実績
45ミスタートウジン 753着2回
35ロイヤルキャンサー1513着1回
32マイネルハーティー2501勝・2着1回・3着1回
29サンエムキング 733着2回
28マリーゴッド 1921勝・3着1回
27メイショウサライ 112なし
27チアズサイレンス 722着1回
27メイショウシャフト 61なし
26ジェットアラウンド102なし
25ワールドハンター 21(継続中)03着1回
24オフィサー 51なし
23タイキジリオン 1703着1回
23ダンシングサム 71なし
23エルウェーウィン 612勝
23コクトジュリアン 441勝・3着2回
22ホーマンベルウィン162なし
22テイエムアクション 923着2回
22マルターズホーク 603着1回
22ナリタダイドウ 60なし
21トウショウトリガー120なし
21イソノウイナー 802着1回
21オーゴンサンデー 70なし
21ツルマルファイター 612着2回・3着1回
21ビッグファイト 512勝・2着2回・3着1回
20タガノエクリプス 16(継続中)0なし
20ダイナフランカー 112なし
20トシザボス 902着1回
20ハギノベルテンポ 71なし
20タイギャラント 61なし
20マイスーパーマン 502勝
20ビコーアルファー 332着2回・3着3回
※OP特別連続出走回数のカウントには交流重賞も考慮。重賞実績は3着以内を掲載、交流重賞含む。


1986年以降の25年間その時々においてオープン特別競走も異なっており、昔オープン特別競走だったレースがいまは重賞、というものもあります。また、オープン特別競走の出走規定も変更になっており、現在は出走するだけでも一苦労。そんなこともあって一概には言えないですが、それでもざっと並べてみるとそういえばそういう馬がいました的な馬が並びますね。


出走数としてはミスタートウジン号が断トツ、ただこの馬の場合は競走馬であった期間も格段に長いので、別格ですね。これを超えることはなかなか難しいでしょう。この馬を別格とすると、ワールドハンター号は既にオープン特別競走の括りでは相当キャリアを積んでいることがわかります。
注目すべきはオープン特別競走の連続出走数。21回連続出走は既に歴代2位の記録でして、歴代1位のマイネルハーティー号の記録にあと4回まで迫っています。2年4ヶ月で21回、現在7歳ということを考えると、重賞に出走してしまうと連続出走記録を再度積み上げることはほぼ絶望的。重賞をうまく避けつつ、何とか歴代1位に手が届かないでしょうか。
オープン特別競走で優勝したことがないというのもある意味好感が持てる戦績です。オープン大将がオープン特別競走では強いが重賞はサッパリ、ということであれば、オープン特別の主はオープン特別競走の戦績自体いまいちであってほしいもの。そういう意味では、ワールドハンター号はかなりオープン特別の主に近い存在ではないかと思われます。
オープン特別競走未勝利という点ではマイネルハーティー号も同様なので、こちらに分がありそうではありますが、何しろ世代限定重賞とはいえ重賞優勝馬ですからね。そんな馬はオープン特別の主にはふさわしくない!などと思ってしまいます。まあワールドハンター号も、世代限定重賞で3着が1度あるということでそこが残念と言えば残念なのですけど、他馬も重賞3着くらいはけっこう記録しているので目をつぶってもよいのではないでしょうか。
ということで、ミスタートウジン号に次ぐオープン特別の主の候補としてワールドハンター号を推したいと思います。無論現時点で現役最強、連続出走数でマイネルハーティー号を上回ると歴代の中でも相当上位に位置付けてよいと思われます。あと1〜2年競走馬生活を続けられるなら、ロイヤルキャンサー号の出走回数にも到達できそう。ただ、栗東Sは勝ち馬から1.6秒差とはいえ16頭中16着だったんですよね…。そろそろいつ抹消になってもおかしくないだけに、今後の動向が注目されます。


ところで上表には現役馬がもう一頭いまして、それがタガノエクリプス号。こちらもオープン特別競走連続出走数は16回で継続中、ワールドハンター号との最大の違いは重賞実績がないこと、ということで、ワールドハンター号をも超える存在になれる可能性がありますが、残念ながらワールドハンター号より年配の8歳馬なんですよね。1年近く休んでいますし、ワールドハンター号超えは難しいのではないかと推測します。