中央競馬のためにならない話

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ロージズインメイ産駒のダート替わりは注意かも

中央競馬では2歳戦が始まりおよそ3ヶ月が過ぎました。今年初年度産駒がデビューする新種牡馬もぼちぼちと勝ち上がっていて、小倉2歳Sを優勝したジュエルオブナイル号は新種牡馬デュランダルの産駒。デュランダルは現時点の新種牡馬リーディングで賞金トップ、着別度数で2位と好調な滑り出しです。

  集計期間:2009. 6.20 〜 2009. 9.21
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順位 種牡馬              着別度数              勝率  連対率 複勝率   賞金合計
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  1  ゼンノロブロイ      5- 2- 3- 6- 2-24/42   11.9%  16.7%  23.8%    4835万 
  2  デュランダル        4- 7- 4- 4- 3-23/45    8.9%  24.4%  33.3%    5135万 
  3  ロージズインメイ    4- 3- 2- 6- 2-20/37   10.8%  18.9%  24.3%    4260万 
  4  バゴ                3- 3- 0- 1- 4-16/27   11.1%  22.2%  22.2%    2895万 
  5  アドマイヤマックス  2- 1- 2- 3- 5-11/24    8.3%  12.5%  20.8%    2330万 
  6  ストラヴィンスキー  1- 4- 4- 5- 0-28/42    2.4%  11.9%  21.4%    2645万 
  7  アドマイヤドン      1- 1- 2- 0- 1- 6/11    9.1%  18.2%  36.4%    1310万 
  8  ザッツザプレンティ  1- 1- 0- 0- 3-16/21    4.8%   9.5%   9.5%     970万 
  9  ウインデュエル      1- 1- 0- 0- 1- 1/ 4   25.0%  50.0%  50.0%     750万 
 10  チアズブライトリー  1- 1- 0- 0- 0- 1/ 3   33.3%  66.7%  66.7%     780万 
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種牡馬の中で賞金でも着別度数でも3位につけているのがロージズインメイ。2005年のドバイワールドカップの勝ち馬で、マイネル・コスモで知られるラフィアンの前総帥・岡田繁幸氏が購買して輸入。岡田氏の入れ込みようは相当で、手持ちの繁殖に片っ端からつけています。マイネルエクソン号といいカーム号といい、岡田氏が絶賛する馬は期待はずれもいいところ、というイメージがありますが、ロージズインメイは繁殖の多さもあり、今のところその不名誉から免れそうではあります。
ロージズインメイタイキシャトルの父であるDevil's Bagを祖父に持っていることから、ヘイロー系になるのでしょうか。「ダート種牡馬」と囁かれながらも岡田氏はポストサンデーサイレンスとの期待をかけているようですが、産駒の現時点での成績をもう少し詳しく見ると、面白い傾向が出てきています。

  集計期間:2009. 6.27 〜 2009. 9.21
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      着別度数              勝率  連対率 複勝率
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芝        1- 3- 2- 5- 2-16/29    3.4%  13.8%  20.7%
ダート    3- 0- 0- 1- 0- 4/ 8   37.5%  37.5%  37.5%
全        4- 3- 2- 6- 2-20/37   10.8%  18.9%  24.3%
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  新馬    2- 3- 2- 2- 2-13/24    8.3%  20.8%  29.2%
 未勝利   2- 0- 0- 4- 0- 7/13   15.4%  15.4%  15.4%
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芝→芝    0- 0- 0- 3- 0- 4/ 7    0.0%   0.0%   0.0%
芝→ダ    2- 0- 0- 0- 0- 1/ 3   66.7%  66.7%  66.7%
ダ→芝    0- 0- 0- 0- 0- 1/ 1    0.0%   0.0%   0.0%
ダ→ダ    0- 0- 0- 1- 0- 1/ 2    0.0%   0.0%   0.0%
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…あれ。全4勝のうち、ダートで3勝ですか。しかもクラスの成績と併せて考えると、芝の未勝利戦ではまだ1度も馬券になっていない。未勝利戦に関して言えば、ダートに替わって変わり身を示すことが多いようで、これは「ダート種牡馬」の評価を地で行くものではないでしょうか。ちなみに芝→ダ替わりの現時点での3例は、芝14着(1.7秒差)→ダ11着、芝2着(0.1秒差)→ダ1着、芝13着(3.1秒差)→芝4着(1.7秒差)→ダ1着。3例で推測するのも強引な話ですが、芝でそこそこやれる馬がダートに替わった場合は注意、でしょうか?
まだまだサンプルが少ない状況、特にダートには今まで8回しか出走していないため、この傾向がそのまま続くとは限りません。ひょっとしたらこの先芝の大物が続々出てくるかもしれません。むしろダートから芝に替わって注意、という傾向になるかもしれません。ただ、夏競馬の間は芝のレースがダートレースの4倍近くあったということも事実で、ダートのレースが少なかったので芝でデビューさせたという産駒が眠っている可能性もまた否定できるものではありません。現時点では、わたしはそちらに賭けたいなあという思いです。
早速今週、土曜の新潟1Rでロージズインメイ産駒のコスモマハトマ号が初ダートを迎えます。芝での戦績は4着(0.5秒差)→13着(0.8秒差)。前走の着順は悪いですがいずれも1秒差以内の負けで、そこそこやっていると言えなくもない状態。この馬が馬券圏内まで来ると、有効なサンプルがまた一例増えることになりますがさてどうなりますか。
適当なタイミングで再度検証する必要はあるでしょうが、この傾向が血統派の一つのツールとなるまでに成長していくものかどうか、傾向の変化を見守っていきたいと思います。


追記:コスモマハトマ号は1.1秒差5着でした。着順だけならまずまずですが、1番人気ということを考えると微妙なところです。