1回札幌3日目の12R、芝2600mの500万下の競走を優勝したのはワイズミューラー号、鞍上四位騎手。翌週の1回札幌5日目11R、阿寒湖特別(芝2600m)を優勝したのはシルクオールディー号、これも騎乗は四位騎手。さらに先週の1回札幌7日目8R、富良野特別(芝2600m)を優勝したマストハブ号に騎乗していたのはまたしても四位騎手。1回札幌を終えた時点で芝2600mの競走は5回組まれましたが、うち3度まで四位騎手が優勝しています。札幌日経オープンでは四位騎手の騎乗がなかったので、騎乗機会からいくと3連勝、勝率75%。見事です。
知っている方は知っている話ですが、この札幌芝2600というコースは、四位騎手が無類の強さを発揮しているのですよね。函館芝2600はさほどでもないのに、札幌芝2600はすごい。今回は四位騎手の北海道開催の長距離実績について見たいと思います。
まず、函館芝2600mの騎手別の戦績です。
◆騎手別集計 集計期間:1995. 8.19 〜 2010. 8. 8 ソート:着別度数順 ---------------------------------------------------------------------- 順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 ---------------------------------------------------------------------- 1 藤田伸二 15-10-11- 2- 6-26/70 21.4% 35.7% 51.4% 81 89 2 四位洋文 11- 5- 7- 6- 5-28/62 17.7% 25.8% 37.1% 80 72 3 横山典弘 9- 8- 5- 5- 7-31/65 13.8% 26.2% 33.8% 53 62 4 藤岡佑介 7- 8- 2- 3- 2-10/32 21.9% 46.9% 53.1% 440 229 5 柴山雄一 5- 3- 3- 0- 3- 7/21 23.8% 38.1% 52.4% 359 192 6 勝浦正樹 4- 4- 6- 2- 3-15/34 11.8% 23.5% 41.2% 117 102 7 芹沢純一 3- 1- 1- 1- 1- 9/16 18.8% 25.0% 31.3% 42 47 8 安藤勝己 2- 2- 4- 3- 0- 9/20 10.0% 20.0% 40.0% 28 101 9 長谷川浩 2- 2- 2- 3- 1-12/22 9.1% 18.2% 27.3% 105 89 10 秋山真一 2- 2- 1- 6- 2- 9/22 9.1% 18.2% 22.7% 39 125 11 北村友一 2- 0- 2- 1- 0-10/15 13.3% 13.3% 26.7% 266 152 12 岩田康誠 2- 0- 0- 1- 1- 2/ 6 33.3% 33.3% 33.3% 111 60 13 吉田豊 2- 0- 0- 0- 1- 1/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 117 60 ----------------------------------------------------------------------
2勝以上している現役騎手は上記13名のみ(ほか、引退騎手が3名)。よく見たら四位騎手は勝利数2位ですね。この条件も「さほどでもない」ということはなかった。藤田騎手、横山典騎手に松永幹騎手を加えて四天王と呼ばれたように、長く参戦しているわけですから当然といえば当然ですか。ただ、今年のトパンガ号での勝利はこのコースで5年ぶりの勝利ということを考えると、そこまで得意なコースというわけでもないと思われます。他の騎手では藤岡佑騎手や柴山騎手の意外な?健闘が目に付きます。特に柴山騎手は移籍初年度に比べるとめっきり目立たない成績になってしまいましたが、当コースに限っては実働4年で既に5勝。今後が楽しみです。
続いて、札幌芝2600mになるとこうなります。現役騎手のみ。
◆騎手別集計 集計期間:1992. 6.28 〜 2010. 9. 5 ソート:着別度数順 ---------------------------------------------------------------------- 順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 ---------------------------------------------------------------------- 1 四位洋文 20- 2- 8- 5- 3-16/54 37.0% 40.7% 55.6% 201 116 2 藤田伸二 13- 7-11- 7- 8-44/90 14.4% 22.2% 34.4% 79 66 3 横山典弘 11- 6- 5- 4- 4-29/59 18.6% 28.8% 37.3% 86 69 4 蛯名正義 5- 1- 2- 5- 2-14/29 17.2% 20.7% 27.6% 58 53 5 田中勝春 4- 2- 0- 1- 1-10/18 22.2% 33.3% 33.3% 221 76 6 安藤勝己 4- 1- 0- 1- 1- 8/15 26.7% 33.3% 33.3% 106 58 7 芹沢純一 3- 2- 0- 3- 1-12/21 14.3% 23.8% 23.8% 205 84 8 武豊 3- 0- 4- 0- 3- 5/15 20.0% 20.0% 46.7% 64 72 9 武幸四郎 2- 4- 2- 0- 2- 8/18 11.1% 33.3% 44.4% 167 131 10 岩田康誠 2- 3- 1- 4- 4- 6/20 10.0% 25.0% 30.0% 45 77 11 三浦皇成 2- 0- 2- 3- 0- 9/16 12.5% 12.5% 25.0% 117 83 ----------------------------------------------------------------------
四位騎手、騎乗すれば3回に1回以上勝っているというとんでもない成績。JRA-VAN提供のコース解説には「横山典弘騎手が抜群の好成績」とありますけど、四位騎手の好成績はここ数年のことでもないのに何を見ているんだという状態です。2003〜2004年には騎乗機会5連勝も経験しており、おそらく全コースの中で四位騎手が最も得意とするコースだと思います。2着3着の回数を見てわかるように、アタマで持ってくることが非常に多いんですよね。彼を三連単1着固定にすれば、あとは2着3着を考えるだけでいい、というようなレースもけっこうありそうです。
ではどんな時が買いどきなのでしょうか。人気別で見てみます。
◆人気別集計 騎手:四位洋文 集計期間:1995. 7. 1 〜 2010. 9. 4 ----------------------------------------------------------------- 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 ----------------------------------------------------------------- 1番人気 9- 0- 3- 0- 0- 1/13 69.2% 69.2% 92.3% 150 119 2番人気 6- 1- 3- 1- 0- 1/12 50.0% 58.3% 83.3% 219 145 3番人気 2- 0- 1- 0- 0- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 184 140 4番人気 0- 1- 0- 2- 1- 4/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0 21 5番人気 0- 0- 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0 6番人気 1- 0- 0- 0- 1- 2/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 427 107 7番人気 2- 0- 1- 1- 0- 4/ 8 25.0% 25.0% 37.5% 460 212 8番人気 0- 0- 0- 0- 0- 0/ 0 9番人気 0- 0- 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0 10〜人気 0- 0- 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0 -----------------------------------------------------------------
一目瞭然、人気で買え、ということですね。人気だと強気の1着固定でもいけそう、3着の場合を考えてマルチなり3着付けも買うとなおよい、という感じでしょうか。1着を前提に、馬単1着付け総流しや単勝厚め、という買い方もあると思います。今年の阿寒湖特別などは馬単総流しで馬単157倍が引っ掛かっています。人気で買うことを考えると、総流し分の金額で単勝を買うよりは、総流しで紐荒れに期待するほうが楽しめるかもしれません。場合によりけりですけどね。
反面、いかに得意でもあまり人気がない場合は一気に信頼度が落ちます。4番人気以下でも勝つことはありますが、あまり信用しないほうが良さそう。今年も5番人気(単勝1桁台)のトパンガ号で5着、1番人気のワイズミューラー号で1着、2番人気のシルクオールディー号で1着、3番人気のマストハブ号で1着です。
四位騎手の当コースの成績はかように信頼度の高いものでありますが、ここ数年は不調だったんですよね。わたしはずっと「レーザーズエッジ号で落馬して調子を崩したから」説を考えていたのですけど、どうもその原因は人気にあったと推測できそう。2006〜2009年は(1.0.2.5)でしたが、3番人気以内だと(1.0.1.1)*1とこの期間でも信頼度が高かったわけです。そもそも人気馬に騎乗する機会が少なかった、ということですね。
それにしてもなぜここまで得意なのでしょうかね。自信を持って騎乗しているであろうことは当然として、理由のひとつにコーナーがタイトではない、丸っこい札幌のコース形状があるのかなあと思っていますが、四位騎手ってコーナリングがうまい騎手だったかしら、それに捌きがうまいかというと実力のある馬ではインを思い切って突くけど大外ブン回しも少なくないし、と考えると、わからなくなってきます。丸っこいコース形状という意味では近い?と思われる中山芝2200mでは、人気薄での激走は目立つものの(1.3.1.11)とサンプルが少なくて判断しづらい状況で、現状「合っている」としか言いようのない成績です。
さて2回札幌で組まれている芝2600mの競走は2つ。秋競馬が始まることもあり、四位騎手が2回札幌開催に参戦する可能性は低そう(一昨年は阪神開催に騎乗しています)ですが、もし人気馬に騎乗する機会があったら馬券術として十分使えるのでは、と考えます。今年はもう機会がなくても、コース改修しない限り、来年以降も使えることでしょう。留め置いていただければ。