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3年目騎手の将来を推測する2011

昨年の年明け時に、3年目を迎えた三浦騎手、伊藤工騎手、大江原騎手の将来について、それまでの戦績を基に予測しました。あれから1年、三浦騎手はやや物足りない成績ながらも中堅騎手並の成績はきっちり残し、伊藤工騎手は特別初勝利は挙げたものの、(17.44.47.626)という戦績が示すようにまったくもって勝ちきれず、この冬はついにローカルに参戦*1、そして大江原騎手は平地競走はもちろん障碍競走でも年間未勝利というまさかの結果に終わり、三者三様の様相。年明け時の予想は当たらずとも遠からずといったところでしょうか。伊藤工騎手と大江原騎手はあと1ヶ月ちょっとで減量がなくなるということで、いまが正念場でしょう。
さて、今年3年目となる騎手は丸山騎手、国分恭騎手、松山騎手、小野寺騎手、国分優騎手(通算勝利順)。彼らについても昨年と同じように見ていくことにします。


改めまして、わたしが勝手に提唱している若手騎手の生き残り条件の目安は以下の通りです。

・デビュー2年目を終えるまで(12月まで)に特別競走最低1勝、できれば2勝以上。
・特別競走の勝率・連対率・複勝率が、平場競走のそれに比べ、5〜7割程度で歯止めがかかっている。
・ただし、特別競走の勝率・連対率・複勝率が、平場競走のそれに比べて5割以下の項目がある場合は要注意。
これを5騎手の昨年までの戦績に照らし合わせてみます。

  集計期間:2009. 3. 1 〜 2010.12.26
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クラス    着別度数                     勝率  連対率 複勝率 単回値 複回値
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丸山騎手
  平場    93- 62- 75- 66- 56-612/964    9.6%  16.1%  23.9%     79     71
  特別     7- 19- 16- 12- 10- 97/161    4.3%  16.1%  26.1%     19     89
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国分恭騎手
  平場    69- 51- 92- 73- 60-831/1176   5.9%  10.2%  18.0%     81     80
  特別     6- 12-  9- 12- 15-152/206    2.9%   8.7%  13.1%     28     89
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松山騎手
  平場    59- 57- 64- 59- 70-665/974    6.1%  11.9%  18.5%     86     83
  特別     7-  2-  7-  7- 10-129/162    4.3%   5.6%   9.9%    109     56
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小野寺騎手
  平場    12- 14- 25- 19- 29-422/521    2.3%   5.0%   9.8%     37     46
  特別     0-  0-  1-  0-  0- 16/ 17    0.0%   0.0%   5.9%      0     11
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国分優騎手
  平場     7- 15- 17- 17- 16-342/414    1.7%   5.3%   9.4%     31     68
  特別     0-  0-  1-  1-  1-  9/ 12    0.0%   0.0%   8.3%      0     56
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見事にはっきり分かれてますね。上位3騎手は大丈夫そう、下位2騎手は苦しそう、というのがぱっと見の印象です。
丸山騎手については、昨年の活躍は改めて言うまでもないでしょう。2010年は堂々のリーディング7位、初勝利が函館だったとは思えない大ブレイクぶりでした。特別競走において、2着3着に比べて1着数がずいぶん少ない印象に思えるのが、減量のなくなる今年にダイレクトに響くかどうか、ということはありますが、仮に昨年がキャリアハイであったとしても当分は安定した活躍ができるでしょう。今年は重賞にも手が届くのではないでしょうかね。
国分恭騎手は同期の重賞優勝一番乗り。1kg減になって、3kg減時代の破竹の勢いはないですが、ローカル中心から主場中心に軸足を移した影響もあるでしょう。オープンクラスでは、テイエムオーロラ号は残念なことになりましたが、スカイノダン号が控えており、お手馬の面で他の同期に比べ恵まれている印象。いま現在ややスランプ気味でしばらく勝てていませんが、今年中に減量を外せそうですし、完全に軌道に乗ったと見てよいかと。
松山騎手は相次ぐ怪我で昨年は物足りない成績、ここ最近の戦績でも丸山騎手や国分恭騎手には水を開けられた印象ではありますが、同期で最初に台頭してきたのは他ならぬ彼であります。特別競走の勝率もなかなかで、昨秋の小倉開催では、準メインとメインの特別競走2戦を連勝という印象的な活躍。体調が万全なら、もう少しやれると考えます。
昨秋の福島開催で覚醒したかと思われた小野寺騎手、最近はあの覚醒は何だったのかという状態です。結局わたしが勝手に覚醒したと思っていただけのようですね…。ローカルの平場競走ならたまに馬券になっているように思いますが、なかなか勝てないのが悩ましい。特別競走でも全くといっていいほど出番がありません。今年印象に残る活躍ができないと、ちょっと苦しいように思います。
国分優騎手は栗東留学中。昨年12月半ばから馴染んできた感じで年が明けてからようやく栗東初勝利、その後はそこそこ。某ちゃんねるでは「栗東での評価が急上昇」「信頼を得ている」との記載を見かけましたが、果たしてそうなのでしょうか。栗東留学後も騎乗数がかなり増えている割に特別競走の依頼はほとんどなく、3kg減のニーズがあるだけのような…。小野寺騎手と同様、今年が正念場かと思われます。
上位3騎手は大丈夫だろうと楽観的な予測を行いましたが、彼らも平場競走の率との比較では決して楽観視できないように思います。丸山騎手は勝率、国分恭騎手も勝率、松山騎手は連対率がそれぞれ平場競走の率の5割以下。実際のところはちょっとしたことですぐに干されかねない、当落線上にいるのかなという気も少しします。


以上、各騎手の将来予測を競馬新聞風にしてみます。

◎丸山騎手
○国分恭騎手
○松山騎手
−小野寺騎手
−国分優騎手
実際のところ、丸山騎手は◎ではなく○にしたいのですが、あの勝ち星を思うとなかなか○にはしづらいです。ただ、このままローカル専用で行くのなら、二場開催や重賞ではお呼びでないタイプになる可能性もゼロではない。減量なしでも大きく成績を落とさないところ、二場開催でもやれるところ、あとラフプレーが減っているところを見せないと、先々辛くなるのでは、と思うので、実は丸山騎手も今年は勝負の年になるのでは、と思っています。

*1:真偽不明ですが某ちゃんねるでは栗東留学も、との情報も?