先週の安田記念は3歳馬のリアルインパクト号が優勝。3歳馬が安田記念で馬券圏内に入線したのはスピードワールド号(3着)以来14年ぶりで、スポーツ紙には「安田記念での3歳馬の優勝は初」などと書かれていますが、そもそも安田記念に限らずこの時期に3歳馬が古馬相手に優勝することが稀のはず。
夏競馬になると3歳馬と古馬との対戦が本格化しますが、春競馬の間に3歳馬が古馬と対戦するのは平地オープンクラスと障碍競走(未勝利・オープンとも)のみ。平地のオープンクラスに関しては以前触れたように、春競馬の間に勝ち馬が出たことは少なくとも25年間ありません。障碍競走はどうでしょうか。1986年の平地オープンクラスの結果と併せて、春競馬の3歳以上の競走における3歳馬の成績を見てみます。
◆年齢別集計 集計期間:1986. 5.17 〜 2011. 6. 5 ------------------------------------------------------------------------ 年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 ------------------------------------------------------------------------ 3歳合計 1- 7- 4- 5- 9- 78/ 104 1.0% 7.7% 11.5% 28 43 平地 1- 4- 2- 2- 2- 17/ 28 3.6% 17.9% 25.0% 104 96 障碍 0- 3- 2- 3- 7- 61/ 76 0.0% 3.9% 6.6% 0 24 ------------------------------------------------------------------------
障碍競走でも勝ち馬ゼロでした。平地競走で格段のキャリア差があるのはわかるのですけど、障碍競走は未勝利戦ということもあり、3歳馬でも何とかなるような気がしないでもないのですよね。それでも実際にはこちらでも差があるというか、率としては平地競走以上に差が大きいですね。これは意外でした。平地の1勝は先日のリアルインパクト号。安田記念に限らず、春競馬における歴史的な1勝と言えるわけです。スポーツ各紙ももっとこのことを強調してもよさそうなものですが…。
それにしても過去25年、一流馬が春競馬で古馬に挑むこと自体がさほど多くなかったとはいえ、数多の馬が寄ってたかっても突破できなかった古馬の壁を、わずか1勝馬*1が、それもGI競走で打ち破るとは思いもよりませんでしたね…。1勝馬が18頭立ての単勝9番人気だったというのも驚きですが。