中央競馬のためにならない話

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GI競走の厩舎ワンツーなど

先週の安田記念では堀厩舎がワンツー。GI競走に限らず、同一競走での厩舎ワンツーというのは多頭出しが大前提であるためなかなか見られるものではなく、ましてやGI競走でのワンツーとなると、同一路線の最強クラスの馬を2頭抱える必要があるため、めったに見られないことと思われます。そんなわけで、過去25年のGI競走でワンツー(そういう言い方はしないでしょうけどワンスリー、ツースリーも)を決めた厩舎をまとめてみました。

日付レース名厩舎1着2着3着
1988/04/10桜花賞 庄野穂積アラホウトク シヨノロマン
1990/12/09阪神3歳S田中耕太郎ニホンピロアンデスミルフォードスルー
1991/04/07桜花賞 鶴留明雄シスタートウショウノーザンドライバー
1999/04/11中山グランドジャンプ吉岡八郎ケイティタイガー ヨイドレテンシ
2000/04/09桜花賞 山内研二チアズグレイス シルクプリマドンナ
2000/05/21優駿牝馬山内研二シルクプリマドンナチアズグレイス
2001/11/18マイルチャンピオンシップ藤沢和雄ゼンノエルシド タイキトレジャー
2002/05/26東京優駿藤沢和雄シンボリクリスエスマチカネアカツキ
2002/12/22有馬記念藤沢和雄シンボリクリスエスコイントス
2003/04/20皐月賞 瀬戸口勉ネオユニヴァース エイシンチャンプ
2003/12/07阪神ジュベナイルフィリーズ浅見秀一ヤマニンシュクル ヤマニンアルシオン
2003/12/28有馬記念藤沢和雄シンボリクリスエスゼンノロブロイ
2004/10/31天皇賞(秋)藤沢和雄ゼンノロブロイ ダンスインザムード
2004/11/28ジャパンカップダート松田博資タイムパラドックスアドマイヤドン
2005/05/22優駿牝馬角居勝彦シーザリオ ディアデラノビア
2005/10/30天皇賞(秋)藤沢和雄ゼンノロブロイ ダンスインザムード
2005/11/26ジャパンカップダート森秀行 シーキングザダイヤスターキングマン
2007/12/22中山大障害増本豊 キングジョイ マルカラスカル
2008/10/19秋華賞 小島茂之ブラックエンブレムプロヴィナージュ
2011/04/10桜花賞 松田博資マルセリーナ トレンドハンター
2011/04/24皐月賞 池江泰寿オルフェーヴル ダノンバラード
2011/06/05安田記念堀宣行 リアルインパクト ストロングリターン


GIのワンツーはここ25年ではわずかで、今回で6度目という少なさ。1着3着や2着3着もそうそうあるものではないですけどね。時期的には90年代末から急増。現在は毎年のように見られるようになっており、上位厩舎に強い馬が偏って集まるようになったことと無縁ではないように思われます。
レースとしては世代限定戦が多いですね。上記22例のうち、実に12例までが世代限定GIです。さまざまな路線を歩んでさまざまに賞金を重ねてきた馬が集まる古馬GIとは違って、賞金加算ルートがある程度限定されること、出走できる世代が限られていること、目標が明確であること(特に桜花賞)、回避する発想があまりないことなどが多頭出しを発生させやすくしている、ひいてはワンツー等の多さにつながっているのかもしれません。三冠レースの中で、距離が嫌われがちな菊花賞だけワンツー等が発生していないことにもそれがうかがえます。
厩舎の観点から言うと、基本的にどれだけ長く厩舎経営をしていても、一生で一度体験できるかどうかという貴重な体験と言えそう。GI優勝の多い名門厩舎でも、馬券圏内同時入線を経験している厩舎は少数派です。オープンクラスの管理馬が多くても、GI競走を勝ち負けできる看板馬を同時に2頭以上管理することはそうそうないですからね。そんな中、実に6度も顔を出している藤沢和厩舎はさすがと言うか何と言うか。オープンクラスの馬を多く抱えていただけでなく、シンボリクリスエス号、ゼンノロブロイ号といった絶対王者が君臨していたことも当時馬券圏内同時入線を発生させやすくしていたのではなかろうかと思われます。調べていて思ったのは橋口厩舎のGI2着の多さ。もともと橋口厩舎といえばGI2着、というイメージではありますが、1986年以降で1着9回、2着25回、3着12回と、ここまで差がついているとは思っていませんでした。


26日の宝塚記念では池江厩舎が多頭出しの構え。5頭出しとも言われる攻勢がかかる予定で、そうするとまたワンツーなどが見られるかもしれませんね。ワンツースリーとなると相当前まで遡る必要があるくらいの椿事になりますが果たしてどうでしょう。