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重賞初優勝がGI競走だった厩舎

先週の秋華賞ショウナンパンドラ号が優勝。前身のトライアル競走時代のクイーンSも含め、紫苑Sをステップとした組で初めての秋華賞の優勝馬となりました*1紫苑S秋華賞で馬券圏内に入ったこと自体が2002年のシアリアスバイオ号以来12年ぶり、このときも紫苑Sは新潟で開催されており、新潟開催の紫苑Sは多少本番に結びつくのかもしれません。それにしても紫苑S勝ち馬のレーヴデトワール号をも上回る単勝3番人気とは、世の中にはプロしかいないのでしょうか。
さて、ショウナンパンドラ号を管理しているのは栗東若手の高野厩舎。開業初年度に破竹の勢いを見せていたこと、併せて師匠の松田国厩舎の成績が急落したことは以前述べたとおりですが、その頃のことを思うと遅すぎるくらいの重賞初優勝でした。重賞初優勝がGI競走、というのはJRAの騎手騎手だとこのへんを参照すると1986年以降で岸騎手、熊沢騎手、古川騎手、吉田豊騎手と4人いますが、調教師だとどのくらいいるでしょうか。調べてみました。1986年以降に免許が交付された調教師では、以下のとおりとなります。「年目」は、開業何年目で優勝したかを示します(免許交付年ではありません)。


調教師日付レース名勝馬騎手年目
森秀行931128ジャパンカップレガシーワールド河内洋1年目
宮徹971130阪神3歳牝馬Sアインブライド古川吉洋1年目
保田一隆980419皐月賞セイウンスカイ横山典弘2年目
吉永正人981219中山大障害ビクトリーアップ横山義行10年目
池添兼雄991205阪神3歳牝馬Sヤマカツスズランキネーン1年目
石坂正001001スプリンターズSダイタクヤマト江田照男3年目
南井克巳001125ジャパンカップダートウイングアロー岡部幸雄1年目
藤原辰雄040110中山大障害ブランディス大江原隆10年目
五十嵐忠男051204阪神ジュベナイルフィリーズテイエムプリキュア熊沢重文12年目
池江泰寿061210朝日杯フューチュリティSドリームジャーニー蛯名正義3年目
高橋義博101225中山大障害バシケーン蓑島靖典12年目
高野友和141019秋華賞ショウナンパンドラ浜中俊4年目


高野厩舎は12例目。ぱっと見た感じ、思ったより多いな、という印象もありますが、重賞を優勝したことのある厩舎が158厩舎なので、その中で12例、というのは絶対数として少なくはあります。なお、障碍競走を除くと9例。また、森厩舎、石坂厩舎、南井厩舎は前厩舎からの転厩馬で一から自前で育てた馬ではない(開業前に多かれ少なかれ関わっていたのでしょうけど)*2ので、それも除くと6例目になります。この中では池江厩舎が少々意外ですね。ドリームジャーニー号の前にも何か重賞を優勝していたように錯覚してしまいます。また、宮厩舎のアインブライド号の例は、「騎手も厩舎も初重賞がGI」という、今後出ないのではないだろうかと思われる記録です。
先の6例を見ると、すべて2歳GI、3歳GIですね。やはり古馬GIともなると重賞を優勝せずに出走し、なおかつそこで優勝することなど考えづらいですしね。オープン特別や重賞2着3着など、GIでも出走へのハードルがそこまで高くない競走だからこそ、初GI=初重賞、ということが成立するのかな、と思われます。

*1:トライアル競走としてのクイーンSから3歳限定だった頃のエリザベス女王杯を優勝した例としてはサクラキャンドル号がいます

*2:レガシーワールド号は戸山厩舎から、ダイタクヤマト号は橋口厩舎から、ウイングアロー号は工藤厩舎から。南井師は騎手時代にウイングアロー号騎乗経験あり