先週札幌で実施された阿寒湖特別、勝ったのは3歳牝馬のポルカマズルカ号。祖母ダンシングキイということで、ダンスインザダーク号、ダンスパートナー号、ダンスインザムード号といった3頭のGI馬の姪にあたります。ポルカマズルカ号はティンバーカントリー産駒ということもあってか、デビュー以来ダートを中心に使われてきましたが、札幌芝2600mの競走に出走して覚醒。先週の勝利と相成りました。
この阿寒湖特別、札幌開催の中では出世レースとして名高いレースで、古くはステイゴールド号、マンハッタンカフェ号、ファインモーション号、最近ではホクトスルタン号が優勝しています。このあたりは有名ですが、他の勝ち馬のイメージがあまりありません。本当に出世レースなのでしょうか。確認しました。
阿寒湖特別は札幌競馬場で芝の競走が始まった1990年から休まず実施されていますが、20年間の勝ち馬は以下の通りです。なお、年齢はすべて現表記での年齢に揃えています。
1990年(芝2000):カチウマホーク(牡4) その後の戦績 (1.0.1.3) 鳴尾記念1着 1991年(芝2000):ナショナルフラッグ(牝5) その後の戦績 (0.0.1.4) 準オープン3着 1992年(芝2000):ヒガシマジョルカ(牝4) その後の戦績 (1.0.3.9) 函館記念1着、ほかGIII3着3回 1993年(芝2000):カネヒュウガ(牡4) その後の戦績 (1.0.1.7)(地方含まず) 準オープン1着 1994年(芝2000):ナカミアンデス(セ4) その後の戦績 (3.1.0.10) オープン特別2勝 1995年(芝2000):タケノアイリス(牝3) その後の戦績 (1.1.1.7) 準オープン2着 1996年(芝2000):ケイエスミラー(牝4) その後の戦績 (0.5.3.22) オープン特別2着2回 1997年(芝2000):ステイゴールド(牡3) その後の戦績 (2.10.7.20)(海外含まず) 香港ヴァーズ1着、GI2着4回、GII3勝 1998年(芝2600):アスクファンタジー(牝4) その後の戦績 (0.0.1.2) 準オープン3着 1999年(芝2600):メジロアトラス(セ4) その後の戦績 (2.2.0.12)(地方・障碍含まず) ダイオライト記念3着、障碍オープン 2000年(芝2600):ローランワンダ(牡5) その後の戦績 (0.1.2.17)(地方含まず) 準オープン3着 2001年(芝2600):マンハッタンカフェ(牡3) その後の戦績 (3.0.0.2)(海外含まず) 菊花賞1着、有馬記念1着、天皇賞(春)1着 2002年(芝2600):ファインモーション(牝3) その後の戦績 (5.3.0.4) 秋華賞1着、エリザベス女王杯1着、マイルチャンピオンシップ2着、GII3勝 2003年(芝2600):シンコウベルデ(牝5) その後の戦績 (0.0.0.3) 2004年(芝2600):メイショウカチドキ(牡4) その後の戦績 (1.0.0.7) 準オープン1着 2005年(芝2600):コマノハイ(牡3) その後の戦績 (0.0.1.3) 2006年(芝2600):トレオウオブキング(牡5) その後の戦績 (1.0.1.7)(障碍含まず) 準オープン1着 2007年(芝2600):ホクトスルタン(牡3) 現役 その後の戦績 (2.0.0.6) 目黒記念1着 2008年(芝2600):ハギノプリンセス(牝5) 現役 その後の戦績 (0.0.0.5) 2009年(芝2600):ポルカマズルカ(牝3) 現役 その後の戦績 (0.0.0.0) 未出走
準オープン以上で馬券になっている馬が少なくないですが、「出世レース」と呼ぶには少し弱いような気もしますね。特にここ数年は阿寒湖特別優勝後、目立った戦績のない馬が増えています。ただ、2ちゃんねるの某スレッドで「阿寒湖特別を勝った『3歳馬』は出世する」というのも見ました。上記から、3歳で阿寒湖特別を勝った馬を抽出してみます。
1995年(芝2000):タケノアイリス 1997年(芝2000):ステイゴールド 2001年(芝2600):マンハッタンカフェ 2002年(芝2600):ファインモーション 2005年(芝2600):コマノハイ 2007年(芝2600):ホクトスルタン 2009年(芝2600):ポルカマズルカ
だいぶ優秀になってきました。結局、ステイゴールド号もマンハッタンカフェ号もファインモーション号もホクトスルタン号も、3歳時に阿寒湖特別を勝ってるんですよね。目立った戦績のないコマノハイ号も阿寒湖特別優勝後におよそ3年休んだので、例外的に扱うことができそう。菊花賞に出走していたら穴人気くらいはしたでしょうし。そうなると、ポルカマズルカ号の将来は有望ではないでしょうか。順調ならどこかで重賞競走を優勝する可能性は高いと言えそうです。第2のタケノアイリス号になる可能性も否定できませんが、良血馬でもありますし、どこまで出世するのか、次走にどのレースを選ぶのか、注目に値すると思われます。次走でも手綱を取るでありましょう丸田騎手、千載一遇のチャンスですかね。