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藤沢和厩舎の所属騎手のバックアップ

今年デビューの杉原騎手は藤沢和雄厩舎所属。藤沢和厩舎は25年足らずで通算1,000勝を達成した、言わずと知れた関東の超一流厩舎ですが、新人騎手を積極的に受け入れることでも知られており、杉原騎手が競馬学校時代に藤沢和厩舎で研修を始めた際も、「藤沢和はまた新人をとるのか」などと言われたものです。
美浦のリーディング上位厩舎に所属する騎手は、加藤士騎手や国分優騎手や水口騎手のように序盤苦労しがちなものですが、藤沢和厩舎は北村宏騎手や塚田元騎手を順調に育てたわけだし大丈夫…と思いきや、杉原騎手はここまで1勝。先日触れたように穴騎手っぽいところを見せているものの、デビューが数週間遅れたり、初勝利も遅めだったりと少し苦労が見られます。
苦労しているなら、所属の藤沢和厩舎がもっとバックアップしてあげればいいのに、とか、自厩舎にあまり乗ってないし、過去の所属騎手はもっとバックアップを受けていたのでは、とつい思ってしまいますね。ただ、かつて実際どうだったかは案外覚えていないわけで、印象だけでものを語るのも良くないでしょう。ということで、藤沢和厩舎所属でデビューした騎手の、デビュー年の春競馬のバックアップ状況を調べてみました*1


騎手デビュー年通算騎乗数自厩舎騎乗数自厩舎率自厩舎成績
橋本広喜1991921213.0%(4.1.2.5)
青木芳之199541 819.5%(1.1.2.4)
北村宏司1999981212.2%(3.1.1.7)
塚田祥雄200558 4 6.9%(1.0.0.3)
杉原誠人201147 817.0%(0.0.0.8)


あれ、比率でいくと案外乗せてもらえていますね。他厩舎からの依頼が少ないだけで、自厩舎は過去の所属騎手とそう変わらない数を乗せてくれています。デビュー当時からガンガン乗せてもらえていた印象の北村宏騎手でも12鞍ですし、塚田元騎手に至っては春競馬全体でわずか4鞍しか乗せてもらえていません。ここからよく減量を自力で外せそうなところまで持ち直しましたね…。このことから、杉原騎手が特別冷遇されているわけではないということが言えそうです。
杉原騎手について、他の所属騎手と異なるのはまだ自厩舎で勝ってないところ。通算1勝なので仕方ないところはありますが、自厩舎からも上位人気にはなっても確勝級の馬が回ってこないのが少し残念です。もっとも、掲示板率は5割ですし、そう遠くないうちに自厩舎で勝てる日が来るでしょう。本人も早く自厩舎の馬で勝ちたいものと思われます。
杉原騎手の成績面での当面の目標は塚田元騎手でしょうか。春競馬で2勝、馬券圏内4回というのは1勝、馬券圏内5回の杉原騎手に近い成績。塚田元騎手のデビュー年は結局11勝で終了していますので、杉原騎手もまずは10勝が目標になりそう。翌年44勝と飛躍した塚田元騎手とどこまで成長曲線を合わせられるかは未知数ではありますが、いまは一流馬が揃う厩舎で調教をつけることによって飛躍の足掛かりを作る時期なのかもしれません。ともかくも、ぱっと見では杉原騎手はどん底スタートというほどでもなさそうなので、ひとまず安心しました。


と、スポーツ紙記事を見ると、新人騎手の中で唯一北海道シリーズ参戦のようで。これなら他厩舎からの調教依頼や減量を見込んでの騎乗依頼が増えるでしょうし、成績を伸ばすチャンスなのではないでしょうか。

*1:たぶん以下の5人かと思いますが、抜けている騎手がいたらコメントでご指摘ください。