福島開催の最終日は丸田騎手が大暴れ。全然意識していなかったけれどよくよく見たらびっくり、100円スタートで全額複コロすると一度失敗するものの次のラウンドで最終的に約69万円にまでなるという、本命穴問わずガンガン持ってくる状態。秋の福島では宮崎騎手もリーディング2位に食い込むなど、若手の活躍が目立ちました。このように、若手騎手はローカルに回って騎乗馬を確保しつつ腕を磨く、というのが常ですが、今年の栗東新人、松山騎手と国分恭騎手は春先こそローカルに回ったものの、夏以降はほぼ一貫して関西主場で名だたる一流騎手に揉まれています。それでいて結果を残すのはたいしたものですが、特に近頃の国分恭騎手の活躍ぶりには覚醒したとも言えそうな状態、2kg減と3kg減の違いはあるものの、松山騎手以上の活躍ぶりを見せています。
国分恭騎手の全成績を以下に示します。
集計期間:2009. 3. 7 〜 2009.11.29 ------------------------------------------------------------------------ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 ------------------------------------------------------------------------ 芝 11- 13- 16- 10- 12-159/221 5.0% 10.9% 18.1% 54 119 ダート 9- 11- 22- 19- 19-184/264 3.4% 7.6% 15.9% 83 84 全 20- 24- 38- 29- 31-343/485 4.1% 9.1% 16.9% 70 100 ------------------------------------------------------------------------
斤量がより影響するのは芝よりもダートだ、とは何かで目にしたことで、若手騎手の場合、減量を活かしてダートで結果を残す、というイメージがあります。実際同期の松山騎手はもちろんのこと、三浦騎手も、藤岡佑騎手も、福永騎手や武豊騎手に至るまで、デビュー年の勝率等は芝よりダートの方がいいのですが、国分恭騎手は芝の方が優秀。すべて調べたわけではないですけど、デビュー年に2桁勝った騎手でこのような傾向が出るのは初めてかもしれません(そのうち調べてみます)。
月別の成績です。
集計期間:2009. 3. 7 〜 2009.11.29 -------------------------------------------------------------------------- 年・年月 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 -------------------------------------------------------------------------- 2009年3月 0- 2- 3- 2- 4- 15/ 26 0.0% 7.7% 19.2% 0 87 2009年4月 1- 1- 1- 6- 1- 20/ 30 3.3% 6.7% 10.0% 60 30 2009年5月 3- 2- 5- 4- 4- 45/ 63 4.8% 7.9% 15.9% 85 77 2009年6月 2- 2- 3- 1- 2- 39/ 49 4.1% 8.2% 14.3% 22 46 2009年7月 2- 6- 3- 2- 3- 38/ 54 3.7% 14.8% 20.4% 70 112 2009年8月 3- 2- 8- 4- 2- 57/ 76 3.9% 6.6% 17.1% 36 125 2009年9月 3- 2- 5- 4- 6- 42/ 62 4.8% 8.1% 16.1% 32 106 2009年10月 3- 1- 2- 4- 6- 41/ 57 5.3% 7.0% 10.5% 238 74 2009年11月 3- 6- 8- 2- 3- 46/ 68 4.4% 13.2% 25.0% 51 174 --------------------------------------------------------------------------
3月こそ勝てなかったものの、2着2回3着3回というのはデビュー直後としては悪くはなく、当時からけっこうやるな、松山騎手よりやれるのでは?なんて思ったものです。現在は綺麗に月3勝ペースで来ている中、先月は人気薄での2着3着を連発。4回に1回は複勝圏突入、ベタ買いで回収値174円ですから、うまく選べばボロ儲けです。穴を開けるときは積極的に前目につけている場合が多く、最低でも中団にはいる感じ。後方にいたとしてもうまく外に出したり一発捲ったり、新人らしからぬ巧さが目立つ印象で、極端に外を回すレースはあまりないような気がします。馬を最後までしっかり走らせる、力を出し切らせるのもうまく、それが最後残せるか残せないか、というところに出ているように思います(目にしたレースのみでの印象ですけれど)。そしてついには先週、アグネスワルツ号で白菊賞を勝利。初の特別勝ちを収めました。以前筆者が勝手に発案した若手騎手の生き残り条件をひとつクリアし、先行きは明るそう。12月の活躍も期待されます。中京に向かうのでしょうか。中京に回ると人気してしまうかしら。
心配な面も少々。成績が示すように、勝ち切る場面が少ないんですよね。当たれば連勝系が美味しいことが多いですけれど、単勝派にはアテにしづらい騎手。そのせいで、次走阪神JFを予定しているアグネスワルツ号は乗り替わりが確定的。31勝以上というGI騎乗内規を満たしていないためで、来週11勝すれば理論上は騎乗が可能ですが、現実的ではないですよね。(→アグネスワルツ号は武豊騎手が騎乗する予定だったようですが、骨折で回避するとのことで引き続き騎乗の目も?)
あとレコード勝ちの多さも気になります。デビュー9ヶ月で既に3回。以前に比べ距離体系も増えているので一概には言えませんが、このペースは速いような。レコード勝ちって、あまり有名でない若手も収めることがあるんですよね。現在のレコードホルダーで行くと小倉ダ1000mの畑端騎手とか、阪神ダ1200mの船曳騎手(2歳レコード)とか、福島ダ1000mの黛騎手とか。古くは福島芝1000mの野崎騎手、なんてのもありますね。若手騎手にレコードが多いのは、斤量減があるのはもちろんですが、それ以上にあまり勝つ機会がないがゆえに流さずに最後まで全力で追うため、というところが大きいと考えておりまして、要は周りが見えていないというかペースが作れてないというかそんなイメージで。国分恭騎手はマイルや1800mでもレコードを出しているので上記の騎手とは少し違うと言えば違いますが、もう少し余裕を持てるようになってもいいのかな?と思います。
それでも彼の前途は洋々じゃないかな?と期待せずにはいられません。ライバルとして長く付き合っていくであろう松山騎手に追いつけ追い越せの精神で、切磋琢磨してほしいものです。…バカに入れ込んだ風な書きぶりになっているのは筆者が最近国分恭騎手にお世話になりまくっているからであります。その割に白菊賞は寝ていて買えてないのですが。