中央競馬のためにならない話

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各騎手の昨年との成績比較

7月の第一週の開催をもって、JRAは開催のちょうど半分を終えました。現在、月単位で騎手や厩舎の調子を見ていますが、半分の折り返しというのは、年間を通しての調子はどうなのかというのを見るにはちょうどいい時期だと思います。現時点での勝利が昨年の勝利の1/2に達しているかどうかを見ればよいわけですから。ということで、各騎手の勝利ペースが昨年の勝利ペースと比べてどうかということを表で示してみました。新人騎手は昨年の成績がないため、また、今年引退した騎手はこの先騎乗がないため割愛しています。後半になって、急激に調子を上げたり、一気に成績を落としたり、ということはあるでしょうが、現時点での目安としていただければと思います*1


<1着数>

 美浦栗東
昨年比2.0倍以上 岩部江田勇大庭小野寺小林淳柴田大柴田未高野和丹内中谷浜野谷丸山水出南田蓑島山本 上野上村北沢国分恭小林慎高井高田長谷川
昨年比1.5〜2.0倍 柴田善横山典 池添酒井武幸
昨年比1.1〜1.5倍 石神小野後藤柴山吉田隼吉田豊 秋山石橋守出津今村川田北村友高野容鮫島白浜田中健難波野元浜中古川
昨年比0.9〜1.1倍 石橋脩伊藤工伊藤直蛯名草野郷原田中勝松岡村田横山義 岩崎岩田大下小坂小林徹佐久間佐藤四位柴原竹之下福永藤岡康藤岡佑藤田松田松山和田渡辺
昨年比0.5〜0.9倍 五十嵐内田江田照大野勝浦北村宏国分優木幡田中博田辺中舘西田二本柳平沢武士沢的場丸田三浦 安藤勝安藤光飯田荻野琢金折川島熊沢小牧生野芹沢鷹野武豊太宰田嶋中村西谷
昨年比0.5倍以下 青木池崎大江原嘉藤金子小島小林久鈴来高橋智田面木津村穂苅宮崎 赤木植野北村浩高橋亮田島田中克田村仲田船曳南井
騎乗なし・前年から未勝利 加藤鈴木千葉柄崎土谷増沢宗像 荻野要菊地黒岩武英畑端
※「昨年比2.0倍以上」の騎手は、現時点で昨年の勝ち星に並んでいる騎手。昨年未勝利で今年勝利を挙げている騎手は2.0倍以上扱い。


丸山騎手や国分恭騎手の飛躍ぶりは当然わかるわけですし、横山典騎手がかなり調子いいというのも改めて言うまでもありませんが、池添騎手や柴田善騎手が何気に絶好調だということがよくわかります。特に池添騎手は昨年48勝で今年は既に46勝、90勝ペースですね。再婚がいい方向に行っているのか、順調なら自己ベストの年間79勝を上回ることは確定的。柴田善騎手もここ3年は腰の関係もあり60勝に届いていませんでしたが、ことしは70勝以上はクリアしそうです。3週連続重賞勝利も自身初らしいですね? ずっと重賞で優勝できていなかったのに、突然の絶好調はどうしたことでしょうか。
とはいえ、実際のところ勝ち星に騎乗数が大きく影響しているのは言うまでもありません。赤木騎手や武豊騎手、津村騎手らは休養期間が長いので、上表ではかなり落ち込んでいることになります。ですので、本来は勝率で見るのがよいのかもしれません。勝率でも同様にまとめてみました。


<勝率>

 美浦栗東
昨年比1.5倍以上 大庭小野寺草野柴田未柴田善柴山高野和丹内中谷浜野谷丸山水出南田山本横山典 上野上村大下北沢国分恭小林慎高井高田田中健野元長谷川
昨年比1.1〜1.5倍 石神伊藤直江田勇小野後藤小林淳柴田大蓑島吉田隼吉田豊 赤木池添石橋守出津今村川田高野容小林徹酒井鮫島生野武幸中村浜中藤岡康
昨年比0.9〜1.1倍 石橋脩岩部内田蛯名郷原田中勝松岡横山義 秋山安藤光岩田金折熊沢佐久間佐藤白浜芹沢竹之下福永藤岡佑藤田古川和田
昨年比0.5〜0.9倍 五十嵐伊藤工江田照大野勝浦北村宏木幡田中博田辺津村中舘西田二本柳武士沢的場丸田三浦村田 安藤勝飯田岩崎荻野琢川島北村友小坂小牧四位柴原武豊太宰田嶋難波松田松山渡辺
昨年比0.5倍以下 青木池崎大江原嘉藤金子国分優小島小林久鈴来高橋智田面木平沢穂苅宮崎 植野北村浩鷹野高橋亮田島田中克田村仲田西谷船曳南井
騎乗なし・前年から未勝利 加藤鈴木千葉柄崎土谷増沢宗像 荻野要菊地黒岩武英畑端
※昨年未勝利で今年勝利を挙げている騎手は1.5倍以上扱い。


勝ち星の表で上のほうに位置していながら、勝率の表で下のほうになる騎手は、騎乗数も昨年に比べ増えている、ということが言えると思います。逆に勝ち星が下で勝率が上の場合、騎乗数が減っている可能性が高く、全体の質としては向上している、ということが言えようかと。
先ほど述べた池添騎手と柴田善騎手は勝率面でも高くなっており、このような騎手は騎乗数は昨年並みだけど、勝率が上昇していることにより勝ち星も伸びている、昨年より乗れているということになりますね。あと、有名騎手の中では川田騎手、後藤騎手、武幸騎手、浜中騎手、吉田隼騎手、吉田豊騎手あたりが昨年に比べ成績を伸ばしていると言えそう。後藤騎手や武幸騎手の場合は昨年がいまいちでしたからね、例年の成績に戻ったと見るほうが良いでしょうか。
一方で現在のところ今年はいまいちと言えそうなのが、安藤勝騎手、勝浦騎手、北村宏騎手、北村友騎手、小牧騎手、木幡騎手、四位騎手、武豊騎手、田中博騎手、中舘騎手、三浦騎手、宮崎騎手。北村友騎手や四位騎手は勝ち星はまずまずながら騎乗数が増えており、その分勝率が下がっているパターンです。安藤勝騎手の不調ぶりは再三述べてきたとおりですが、地味にやばいと思われるのが小牧騎手と中舘騎手。小牧騎手は例年60〜70勝はクリアしているものの、今年は移籍初年度並みの低水準に終わりそう。中舘騎手も5年連続100勝なのですが、今年は騎乗停止などの影響があったとはいえ21世紀に入ってから最悪のペース。騎乗数自体2割ほど少ないのですが、勝率も落ちているのは気になります。ブログではあまり書いていませんが、徐々に調教師試験対策にシフトしているのでしょうかね? 北村宏騎手も昨年に比べるとかなり落ち込んでいますが、彼の場合は昨年が抜群で、例年並みに戻ったと見るべきかと。若手騎手では宮崎騎手の落ち込みが顕著。減量がなくなった今年が正念場なのですが…。


当然わかっていらっしゃるとは思いますが、あくまで各騎手が昨年と比べてどうか、という話ですので、安藤勝騎手が昨年に比べてかなり調子が悪そうだからといって、勝ち星も勝率も昨年以上という上野騎手が安藤勝騎手より買えるか、といえばそういうわけでもないように思います。くれぐれも誤解のなきよう…。

*1:本来は先週中に記事をあげる予定でしたが、週明けまで原稿置き場に来る機会がなくて…。