週末の皐月賞では、丸山騎手がカフナ号にてGI初騎乗の予定。デビュー年は10勝にも満たなかったものの、昨年は年間100勝に迫ろうかという大ブレイク。今年も年明けの騎乗停止をものともせず、着々と勝ち星を積み重ねている丸山騎手にとっては、主戦場がローカルということもあるにせよ、ここでGI初騎乗というのは少し遅い印象。ただ、その舞台がクラシックとあっては本人としても晴れがましい思いでしょうし、緊張が多分にありつつも気合も入っていることでしょう。
丸山騎手はこれから平地GIの常連になりそうな将来期待の若手騎手でありますが、現在GIで常連の騎手も、みなGI初騎乗というレースはあったわけです。それがどのレースなのか、1986年以降デビューの騎手(競馬学校出身者のみ)について、平地GIを対象に見てみました。以下の平地GI競走の並びは、本年の開催順に則ったものです。
レース名 | 騎手(GI初騎乗時点のデビュー以来の通算年数) |
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なし | |
なし | |
なし | |
なし | |
97名 |
※西田騎手は最初のデビュー年からの通算で、返上期間を含んだ年数。エリザベス女王杯は3歳限定時を含む。水流添騎手は騎乗時点の姓。
もともとは丸山騎手のようにクラシックが平地GI初騎乗って珍しいのではないか、他にクラシックが平地GI初騎乗だった騎手はどのくらいいるのか、という疑問が出発点で、いっそのこと全員を対象に、としたのが今回の経緯であります。
見てみると、初めての平地GIがクラシック、という騎手は別に珍しくはないですね…。東京優駿は賞金を持っている(≒前哨戦で活躍している)馬が多いせいか、さすがにここで初平地GIという騎手が少ないですが、他のクラシック4レースについてはそれぞれけっこう多いです。もちろん、秋華賞も同様です。現在阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティSとして開催されている2歳GI2つで初の平地GI騎乗となった騎手も多いです。これは抽選突破でたまたま騎乗できたという例が多そう。阪神JFの小坂騎手などまさにそのパターンですよね。また、新設まもないヴィクトリアマイルが既にけっこうな人数を輩出している様子。今後もこのレースで初平地GIという騎手が増えるかもしれません。
このレースが初の平地GI、という騎手がここ25年でいなかったのは宝塚記念、ジャパンC、ジャパンCダート、有馬記念の4レース。春秋グランプリはファン投票があって、平地GIに騎乗経験のない騎手が入り込む余地は少ないですし、ジャパンC関係も外国馬の参戦で日本馬の枠が減りがち。格としてもこのレースで平地GI初騎乗、というイメージはないですね。
平地GI初騎乗時の経験年数に目をやると、3年目で初騎乗という事例が多いです。GIに騎乗したことのあるほとんどの騎手が2〜4年目で一度は経験しているようです。3年目となると順調に成長しているなら若手騎手の平地GI騎乗内規である31勝はクリアしていますから、なら一度乗せてやろうという空気があるのかな、と推測します。逆に、10年以上騎乗していてようやく初平地GI、という例は非常に少ないです。10年選手で平地GIに騎乗したことのない騎手は、以後も騎乗する機会はなさそうです。
なお、平地GI初騎乗で勝利しているのは熊沢騎手、あと江田照騎手(繰り上げ優勝)の2人です。