週末の宝塚記念には池江厩舎が5頭登録。登録時点では4頭が出走枠内、1頭除外予定でしたが、賞金上位馬の状況によって5頭出しがかないそうな展開です。他の出走馬が強力だけに現実的ではないでしょうが、出走させる以上GI競走での掲示板独占も可能性ゼロではないというものすごい状況。これに関連して、GI競走における厩舎の多頭出しとその着順を見てみました。2頭出しまで拾うとキリがないので3頭出し以上、1986年以降です。
GIではいまのところ4頭出しが最高。5頭出しが実現すると、グレード制導入後では史上初になります。上表から、多頭出しのうち1頭以上馬券に絡むことがけっこう多いことに気付きますね。3頭以上出しの場合に最低1頭が馬券に絡む確率はおよそ60%、2頭が絡む確率でも10%ちょっと。決して低い確率ではないと言えそうです。今回、三連単マルチなり三連複なりで馬券を買うなら、池江厩舎の出走馬を全部外して買うというのはそれなりにリスクのある戦法ではないでしょうか。一方で3頭出しして3頭すべてが掲示板、というのは至難の業。山内厩舎が2000年に4頭出しで1度、角居厩舎が2007年に1度達成しているだけです。
上表の厩舎なり馬名を眺めていると、時代の変遷などさまざまなものが見えるように思います。1991年の皐月賞と東京優駿、イイデ馬3頭は着順関係が全く一緒だったんだなあ(後年、2007年のJCと有馬記念に受け継がれます)とか、ゼンノロブロイ号の古馬3冠はすべて3頭出しでの達成だったんだなあとか、フェブラリーSばかりで3頭出しを敢行しているのが森厩舎らしいなあとか、いろいろと。20世紀末の山内厩舎は圧巻ですね。牝馬三冠競走で4頭出し→3頭出し→4頭出しの快挙。同一厩舎から三冠皆勤が3頭(うち2頭が優勝)というのは、よほど上位厩舎の一極集中がない限りもう見ることができないことと思われます。