今週末の函館2歳Sではコスモメガトロン号が丹内騎手鞍上で出走予定。先日の函館記念のマイネルスターリー号で優勝を逃した丹内騎手にとって、ここが重賞初優勝の最大のチャンス。少なくとも馬のデキについては「不安はない」そうで、1番人気が濃厚です。となると、枠順等はもちろんのこと、鞍上が人気のプレッシャーに耐えられるか、ということが焦点になりそう。函館記念で一度経験しているとはいえ、重賞未勝利の状態で重賞で1番人気、というのはけっこうなプレッシャーなのではないでしょうか。
思えば現在重賞で優勝を重ねている騎手たちは、初めての重賞優勝時はほどほど〜人気薄だったことが多いような気がします。つまり、1番人気で初重賞、というのはそんなにないのではないか、と。なので調べてみました。1986年以降にデビューした騎手(地方出身騎手、地方騎手、外国人騎手、横山賀騎手を除く)が初めて重賞で優勝したときの人気を、人気順、グレード別に以下に示します。
人気 | GI | GII | GIII | 障碍 |
---|---|---|---|---|
初の重賞優勝を1番人気で飾った騎手は9人。多いか少ないかというのは微妙ですが、思ったよりは多い印象です。とはいえ、1番人気以外だった時の方が圧倒的に多いですね。特に3番人気で初重賞だった騎手の多いこと。馬の力はある程度認められているけど、鞍上が重賞未勝利で不安、といった感じで若干人気を落としたケースが多いのでしょうか。重賞未勝利騎手の3番人気というのは狙い目なのかもしれません。3番人気以外ではわりと満遍なく来ているようですが、さすがに13番人気以降では来た例がほとんどなく、重賞未勝利騎手がこの人気でアタマで持ってきたら事故、ということで良さそうです。
重賞未勝利騎手が1番人気を背負った場合の勝率等はどうなっているのでしょう。上記の9例を含め集計してみると、こんな感じです。手集計なので誤りがある可能性もありますが、概ねのところで…。
870830 小倉記念 トウカイローマン 武豊 5着 881009 京都大賞典 コスモドリーム 岡潤一郎 2着 891224 阪神牝馬特別 マロングラッセ 岡潤一郎 2着 900114 京成杯 クロスキャスト 古川寛和 4着 900128 京都牝馬特別 マロングラッセ 岡潤一郎 2着 910428 4歳牝馬特別 スカーレットブーケ 千田輝彦 2着 910707 七夕賞 ツルマイナス 蛯名正義 9着 911221 ラジオたんぱ杯3歳S ノーザンコンダクト 藤田伸二 1着 921025 カブトヤマ記念 シャコーグレイド 土谷智紀 9着 941211 愛知杯 メルシーステージ 河北通 6着 951028 スワンS ニホンピロスタディ 小林徹弥 6着 951210 愛知杯 ポジー 北沢伸也 10着 960331 クリスタルカップ バンブーピノ 渡辺薫彦 7着 970831 小倉3歳S タケイチケントウ 常石勝義 1着 971115 東京スポーツ杯3歳S キングヘイロー 福永祐一 1着 980307 チューリップ賞 ファレノプシス 石山繁 4着 980314 阪神障害S ゴッドスピード 西谷誠 1着 981107 ファンタジーS エイシンレマーズ 幸英明 5着 981212 シリウスS イソノウイナー 飯田祐史 6着 990912 朝日チャレンジカップ メイショウオウドウ 飯田祐史 2着 990925 札幌3歳S ピサノガルボ 飯田祐史 5着 991127 京阪杯 メイショウオウドウ 飯田祐史 3着 000312 4歳牝馬特別 サイコーキララ 石山繁 1着 000402 産経大阪杯 メイショウオウドウ 飯田祐史 1着 000723 小倉サマージャンプ ヒサコーボンバー 北沢伸也 6着 000916 阪神ジャンプS ヒサコーボンバー 北沢伸也 中止 001209 シリウスS エイシンサンルイス 太宰啓介 2着 020608 東京ハイジャンプ ミレニアムスズカ 北沢伸也 2着 020609 ファルコンS タイキリオン 村田一誠 15着 020901 新潟2歳S マルロス 村田一誠 3着 020914 阪神ジャンプS ミレニアムスズカ 北沢伸也 1着 030330 マーチS サンエムノヴァ 村田一誠 4着 050820 新潟ジャンプS コアレスクレバー 穂苅寿彦 4着 060819 新潟ジャンプS テレジェニック 金子光希 5着 060903 新潟2歳S マイネルレーニア 石橋脩 3着 061105 アルゼンチン共和国杯 トウショウナイト 武士沢友治 1着 080713 七夕賞 カネトシツヨシオー 石橋脩 6着 090531 目黒記念 ジャガーメイル 石橋脩 2着 090606 ユニコーンS シルクメビウス 田中博康 1着 091011 京都大賞典 ジャガーメイル 石橋脩 4着 100912 セントウルS スカイノダン 国分恭介 6着 101120 福島記念 ディアアレトゥーサ 丸山元気 2着 110320 中京記念 ラフォルジュルネ 田辺裕信 15着 110423 福島牝馬S スマートシルエット 田辺裕信 7着 110724 函館記念 マイネルスターリー 丹内祐次 8着
集計すると(9.9.3.24)で、勝率20.0%、連対率40.0%、複勝率46.7%でした。重賞1番人気の勝率等は、1986年から現在までで勝率31.3%、連対率48.5%、複勝率58.9%ですから、さすがに若干期待値が落ちるようです。あの武豊騎手でさえ、重賞未勝利の身で重賞1番人気になった際には勝てていませんし、そこまで気にすることはないのかもしれませんが…。
丹内騎手は実家が函館競馬場の近所、何でも実家から函館競馬場が見えるとかで、函館は地元中の地元。函館の重賞は是が非でも優勝したいことでしょう。医療ミスとも噂された長期の戦線離脱や、なかなか勝てなかった時期もありましたが、デビュー当時から評価されていた調教技術を武器にラフィアンの信頼を勝ち取り、先月はキャリアハイの戦績で上り調子と、これ以上ないタイミングで迎える重賞。大チャンスであることは間違いないですが、逆にここで勝っておかないと重賞優勝が遠のくようにも思います。果たしてどういう結果になるでしょうか。