先週の中日新聞杯ではサトノアポロ号が優勝し、2着はアドマイヤタイシ号でした。アドマイヤタイシ号はオープン入り後、芝2000m前後のハンデ重賞ばかりを使われており、優勝こそないものの、いずれも2着。実に4戦連続2着です。重賞未勝利馬でこれだけ2着を重ねるのも珍しいように思うので、重賞未勝利馬の2着数を1986年以降で見てみました。重賞未勝利(交流重賞までチェックしていませんが、たぶん大丈夫なはず…)、重賞2着3回以上の競走馬の重賞成績一覧です。
◆馬別集計 集計期間:1986. 1.26 〜 2013. 3. 9 ソート:着別度数順 ----------------------------------------------------------------------------------------------- 順位 馬名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 2着内訳 ----------------------------------------------------------------------------------------------- 1 トウショウシロッコ 0- 5- 6- 3- 2-13/29 0.0% 17.2% 37.9% GII×1、GIII×4 2 コイントス 0- 5- 6- 1- 1- 6/19 0.0% 26.3% 57.9% GII×4、GIII×1 3 シャコーグレイド 0- 5- 4- 6- 6-14/35 0.0% 14.3% 25.7% GI×1、GII×3、GIII×1 4 シグナスヒーロー 0- 5- 1- 3- 3-13/25 0.0% 20.0% 24.0% GII×2、GIII×3 5 ダノンカモン 0- 5- 1- 3- 2- 6/17 0.0% 29.4% 35.3% GI×1、GIII×4 6 ディヴァインライト 0- 5- 0- 1- 2- 8/16 0.0% 31.3% 31.3% GI×1、GII×1、GIII×3 7 ダンシングサーパス 0- 4- 4- 0- 2- 9/19 0.0% 21.1% 42.1% GII×3、GIII×1 8 リアルバースデー 0- 4- 3- 2- 2- 3/14 0.0% 28.6% 50.0% GI×1、GII×3 9 トライアンフマーチ 0- 4- 2- 2- 0- 6/14 0.0% 28.6% 42.9% GI×1、GII×1、GIII×2 10 アグネスソニック 0- 4- 2- 0- 1- 3/10 0.0% 40.0% 60.0% GI×1、GII×1、GIII×2 11 ダイワオーシュウ 0- 4- 1- 2- 2-10/19 0.0% 21.1% 26.3% GI×1、GII×3 12 コパノフウジン 0- 4- 1- 1- 0-18/24 0.0% 16.7% 20.8% GIII×4 13 ジャミール 0- 4- 0- 0- 2- 5/11 0.0% 36.4% 36.4% GII×3、GIII×1 14 アドマイヤタイシ 0- 4- 0- 0- 0- 1/ 5 0.0% 80.0% 80.0% GIII×4 15 メジロディッシュ 0- 3- 4- 0- 2- 6/15 0.0% 20.0% 46.7% GII×1、GIII×2 16 フェアダンス 0- 3- 2- 1- 1- 6/13 0.0% 23.1% 38.5% GI×1、GIII×2 17 トレジャー 0- 3- 2- 1- 0-20/26 0.0% 11.5% 19.2% GII×2、GIII×1 18 プロヴィナージュ 0- 3- 2- 1- 0- 7/13 0.0% 23.1% 38.5% GII×1、GIII×2(※) 19 クリスタルアスター 0- 3- 2- 1- 0- 0/ 6 0.0% 50.0% 83.3% 障碍×3 20 エイシンウイザード 0- 3- 2- 0- 2- 7/14 0.0% 21.4% 35.7% GIII×3 21 パーシャンスポット 0- 3- 1- 1- 1-11/17 0.0% 17.6% 23.5% GIII×3 22 エイティグロー 0- 3- 1- 0- 2- 9/15 0.0% 20.0% 26.7% GIII×3 23 オールダッシュ 0- 3- 1- 0- 1- 8/13 0.0% 23.1% 30.8% GIII×3 24 マツコトブキ 0- 3- 1- 0- 1- 2/ 7 0.0% 42.9% 57.1% GII×1、GIII×2 25 カフェボストニアン 0- 3- 1- 0- 0- 8/12 0.0% 25.0% 33.3% GII×2、GIII×1 26 ブラックシェル 0- 3- 1- 0- 0- 2/ 6 0.0% 50.0% 66.7% GI×1、GII×2 27 パルスビート 0- 3- 1- 0- 0- 1/ 5 0.0% 60.0% 80.0% GII×1、GIII×2 28 シンコウエドワード 0- 3- 0- 2- 0- 6/11 0.0% 27.3% 27.3% GI×1、GIII×2 29 カシマアーバン 0- 3- 0- 2- 0- 6/11 0.0% 27.3% 27.3% GIII×3 30 マイネルファルケ 0- 3- 0- 1- 2- 9/15 0.0% 20.0% 20.0% GI×1、GIII×2 31 カシマドリーム 0- 3- 0- 1- 2- 6/12 0.0% 25.0% 25.0% GII×1、GIII×2 32 ヤマノカサブランカ 0- 3- 0- 1- 1- 8/13 0.0% 23.1% 23.1% GI×2、GII×1 33 タマモモノノフ 0- 3- 0- 1- 1- 4/ 9 0.0% 33.3% 33.3% 障碍×3 34 マイネアイル 0- 3- 0- 1- 1- 3/ 8 0.0% 37.5% 37.5% GIII×3 35 シマノファイン 0- 3- 0- 1- 1- 1/ 6 0.0% 50.0% 50.0% GIII×3 36 タケイチラッキー 0- 3- 0- 1- 0- 2/ 6 0.0% 50.0% 50.0% アラブ×3 37 アグネスアーク 0- 3- 0- 1- 0- 2/ 6 0.0% 50.0% 50.0% GI×1、GII×2 38 コウエイスパート 0- 3- 0- 1- 0- 1/ 5 0.0% 60.0% 60.0% GII×2、GIII×1 39 エイシンサンルイス 0- 3- 0- 1- 0- 0/ 4 0.0% 75.0% 75.0% GIII×3 40 ビーバップ 0- 3- 0- 0- 3- 5/11 0.0% 27.3% 27.3% GIII×3 41 シンエイロータス 0- 3- 0- 0- 1- 4/ 8 0.0% 37.5% 37.5% GII×1、GIII×2 42 ウィンザーモレノ 0- 3- 0- 0- 1- 1/ 5 0.0% 60.0% 60.0% GII×1、GIII×2 43 フローテーション 0- 3- 0- 0- 0- 7/10 0.0% 30.0% 30.0% GI×1、GII×2 44 ハグロオーザ 0- 3- 0- 0- 0- 5/ 8 0.0% 37.5% 37.5% GIII×3 45 カミノスオード 0- 3- 0- 0- 0- 4/ 7 0.0% 42.9% 42.9% GII×1、GIII×2 46 ヒカルオオゾラ 0- 3- 0- 0- 0- 3/ 6 0.0% 50.0% 50.0% GIII×3 47 ホリノカチドキ 0- 3- 0- 0- 0- 2/ 5 0.0% 60.0% 60.0% GI×1、GIII×2 ----------------------------------------------------------------------------------------------- ※プロヴィナージュ号は交流重賞2着が1度あり
1986年以降の重賞未勝利馬の重賞2着は5回が最高でした。アドマイヤタイシ号はこれにあと1回と迫っており、今後更新する可能性は十分です。同一グレードだけで2着4回以上というのは他にコパノフウジン号しかおらず、次もGIIIで2着なら、重賞未勝利馬の同一グレードの2着新記録になるようです。もっとも、重賞2着が多くなると収得賞金が増えますから別定GIIIは使いづらい、ハンデGIIIはハンデが重くなる、ということで格を上げざるを得ない、GIIやGIになるとさすがに相手も強いのでそう簡単に重賞2着にはなれない、ということになるでしょうから、何だかんだで重賞未勝利での重賞2着というのは最高5回くらいに落ち着くのかもしれません。
上表の中での現役馬は他にダノンカモン号、ジャミール号、トライアンフマーチ号。ジャミール号はだいぶ衰えてしまった印象ですが、ダノンカモン号とトライアンフマーチ号はまだ増える可能性があると考えます。
引退馬の中ではまずトウショウシロッコ号とコイントス号ですね。いずれも近年の競走馬なので、記憶している方も多いことでしょう。コイントス号はその高い複勝率から、三連単の申し子になれた可能性はありますが、導入が最後の1年半くらいだけだったので少し残念です。もっとも、そんな中でも2005年の札幌記念で三連単2,759,500円の一翼を担っています。
2着4〜5回組では、GI競走の連対馬も多いです。GIで連対できるなら、メンバーの落ちる重賞なら優勝できてもよさそうですが、そう簡単ではないようです。ヤマノカサブランカ号は2着3回ながら、この中で唯一のGI2連対馬。桜花賞と3歳限定だった頃のエリザベス女王杯ですから、実力は相当あったはずですが、このような馬でも重賞未勝利で終わってしまうのが不思議なものです。
いま、JRAでは競走馬の登録抹消時に公式ニュースを配信することがありますが、配信の基準が重賞勝ち馬。ファンの記憶に残りやすい存在だったトウショウシロッコ号やコイントス号も、ひっそりと抹消されてしまいました。このままでは、さんざ重賞戦線を賑わしたダノンカモン号にしても、今回の主役のアドマイヤタイシ号にしても、何の告知もなくふっと抹消されてしまうことになります。重賞2着が多い重賞未勝利馬でも、抹消のニュースを配信してくれてもよさそうに思いますが、まあ重賞勝ち馬、というのは明確な線引きではありますからね。仕方がないのかもしれません。