GI競走の連続出走記録
フェブラリーSに出走するワンダーアキュート号はダートGI戦線の常連で、今回で10戦連続GI競走出走、ということになります。GI競走に出走する馬は、GII競走なりGIII競走なりをステップにすることが多く、特に芝馬の王道路線などは出走しやすいGII競走が適度に組まれているので、この10戦連続というのはなかなかいい記録ではないか、と思いまして、各馬のGI競走の連続出走記録をざっくりですが調べてみました。ここでいうGI競走には、中央だけでなく、地方や海外を含みます。全馬見たわけではないですが、収得賞金順に300頭弱を確認し、主要な馬はだいたい押さえていることから、限りなく正解に近い結果だと思います*1。
結果は以下の通りです。ワンダーアキュート号は今回のフェブラリーS出走を除いた数字で、8回以上で表示しています。8回というボーダーは、7回以下になると対象馬が一気に増えたためです。
回数 | 馬名 |
---|---|
19 | |
15 | |
13 | |
12 | |
11 | |
9 | |
8 |
上には上がいた、という結果ですね。最近の馬が多いことから、芝・ダート問わず、GI競走の充実がうかがえます。また、ダート馬が上位を占めていることから、やはりダート路線の方がGI競走に連続で出走しやすい体系になっている(逆に言うと、ダート路線はGIで勝ち切るような馬が出走しやすいGII競走が少ない)と言えそうです。
トップはヴァーミリアン号、引退まで丸4年、GI競走にしか出走しませんでした。これはなかなか抜けない記録に見えますが、ホッコータルマエ号が着々と数字を積み上げています。出走予定のドバイワールドカップで14回連続のGI出走、目下充実期にありますし、順調なら来年にはヴァーミリアン号の記録を抜きそう。その頃にはGI競走の最多勝記録も樹立していることでしょう。ワンダーアキュート号は今回の出走で歴代単独7位になります。実績は上位馬に比べると一枚二枚落ちる感がありますが、これはこれで立派な記録ですね。ほか、上位馬で面白い記録なのがトランセンド号。当馬はGI連続出走回数が11回ですが、GI出走回数も11回。GI競走初出走以降、引退までGI競走だけを使われたということになります。少なくともGI競走出走回数5回以上で、このような記録を持っているのは当馬だけのようです。
芝馬は先に述べたように適度にステップレースとなるGII競走がある事情から、GI戦線で活躍した馬でも、オルフェーヴル号やテイエムオペラオー号、ゴールドシップ号あたりの賞金上位馬はキッチリ前哨戦を使っており、GI競走の連続出走回数は最大3回くらいと大きくありません。芝馬で上表に挙がっている馬は、国内GIの間に海外GIを使っているパターンが多いです。そんな中、オグリキャップ号は国内GIだけで9回連続出走。これは予定された海外遠征が取りやめになったことが主因でしょうが、当時社会現象になるほどのスターホースだったという側面もあるように思います。話題性の高いレース(=GI競走)への出走を求める声に応えた、というか。
芝馬のトップはブエナビスタ号、連続12回。これはヴァーミリアン号の記録以上に更新が難しいかもしれません。現役の芝馬でGI連続出走回数継続中のトップはエピファネイア号とフェノーメノ号の4回で、これが12回まで伸びるかというとちょっと考えづらい。仮に引退までGI競走しか使わないとしても、連続12回に到達する前に種牡馬入りでしょうからね。その点、ダート馬の場合は種牡馬としてのニーズの問題*2もあって、より連続出走回数を伸ばしやすい、という事情がありそうです。