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春の3歳三冠レースの出走賞金ボーダーライン増補版

今週末からいよいよ3歳三冠レースのトライアルレースが始まり、競馬界は本格的な春の開催に入っていきます。大目標である三冠レース、トライアルで優先出走権を獲得できれば何も問題はありませんが、そうでなければそこまでに積み上げてきた賞金、収得賞金がモノを言うことになります。果たして、どのくらい賞金を持っていれば出走できそうなのか?
そういう観点で5年前に、「春の3歳三冠レースの出走賞金ボーダーライン」という記事を書いてその時点から過去10年分の春の3歳三冠レース出走のための収得賞金について述べましたが、ある程度年数が経ったので、その後5年分を追加したバージョンをまとめました。
以下に、桜花賞皐月賞優駿牝馬東京優駿それぞれの、過去15年の出走馬の中の最低収得賞金(トライアルで権利を得た馬は除く)を示します。最低収得賞金の馬は抽選で滑り込むことも多いので、JRA公式HPから除外馬がわかる2002年以降については、抽選の倍率というか何頭が出馬投票して何頭が通ったかも併せて示しました。

桜花賞

収得賞金出走枠数抽選倍率該当馬
20008002パールビコー・マヤノメイビー
20018005タケイチイチホース・ツァリーヌ・フィールドサンデー・ムーンライトタンゴ・マイネカプリース
200280022/3アイノブリーズ・マチカネテマリウタ
20031,0502無抽選シーイズトウショウ・トーホウアスカ
200480011/3エイシンヘーベ
20051,2002無抽選ジョウノビクトリアテイエムチュラサン
20061,05011/2エスタンビーナス
20071,3501無抽選ローブデコルテ
20081,3502無抽選エーソングフォー・ポルトフィーノ
20091,20022/3ショウナンカッサイ・ルシュクル
20101,2001無抽選モトヒメ
201190022/6ウッドシップ・カフェヒミコ
20121,2003無抽選アラフネ・エイシンキンチェム・ダームドゥラック
20131,1502無抽選サンブルエミューズ・プリンセスジャック
201490011/3カウニスクッカ

基本的な傾向は変わらず。収得賞金1,200万円が一つの目安になるようです。3月1日終了時点で、牝馬で1,000万円以上持っているのが16頭、うち1,100万円が3頭なので、今年の傾向もほぼ同様と見ていいでしょう。この先、トライアルの開催により賞金を加算してくる馬も増えますが、1,200万円のトーセンラーク号までは大丈夫そう。

皐月賞

収得賞金出走枠数抽選倍率該当馬
20008002ニシノアラウンド・マイネルチャージ
20018007カオリジョバンニ・カシマサキモリ・シュアハピネス・スキャンボーイ・ダークウィザード・テイエムゴーカイ・ミヤビリージェント
200280022/7ノーリーズンマイネルリバティー
20038002無抽選ダイワセレクション・ブラックカフェ
20041,7501無抽選メイショウムネノリ
20051,2002無抽選シックスセンス・ストラスアイラ
20061,1501無抽選ダイアモンドヘッド
200790011/3ブラックシャンツェ
20081,2001無抽選ベンチャーナイン
200990011/5サトノロマネ
20101,2001無抽選リルダヴァル
20111,3501無抽選ロッカヴェラーノ
201290022/4サトノギャラント・シルバーウエイブ
201390011/3クリノヒマラヤオー
20144002無抽選クリノカンパニー・コウエイワンマン

昨年は登録自体がフルゲート+1頭しかおらず、バンドワゴン号が故障したため、ダメ元?で登録した1勝組さえ抽選なしで出走できてしまうという事態だったわけですが、通常は最低2勝が必要なライン。実際のところ、こういうボーダーを掲げてみたものの、牡馬クラシック路線(牝馬も出走できますが、大半の出走が牡馬なので)は現3歳世代から重賞が増えて賞金加算の機会が多くなったのでボーダーラインがここ数年より上がることはほぼ間違いなさそうです。今年は賞金上位馬に故障馬が出ていないことも出走ボーダーを押し上げているように思います。
芝路線と判断される馬で収得賞金1,200万円以上が現時点で34頭。900万円組(新馬未勝利と500万下を勝った2勝馬)が賞金面で出走することは絶望的で、通常なら楽々クリアの1,650万円組、アヴニールマルシェ号、ドゥラメンテ号、ポルトドートウィユ号も優先出走権獲得なり賞金加算をしなければ安心できないレベルでしょうか。あとは賞金上位馬がトライアルで賞金をさらに加算するのか、賞金不足組が優先出走権をもぎとるのかですね。現時点で2,000万なら、トライアルの結果を踏まえてもほぼ当確でしょう。

優駿牝馬

収得賞金出走枠数抽選倍率該当馬
20008002スギノフォルモーザ・リビングデイライツ
20018004アデレードシチー・サマーキャンドル・ブライアンハニー・モットヒカリヲ
200280011/2ビューティマリオン
200380022/3アイシースズカ・コインオブスター
200440022/4シルキーフレンド・ラグレスロマニー
200540022/8ピューマカフェ・ヤマニンアリエル
200680033/4キープユアスマイル・マイネジャーダ・ブルーメンブラット
200740044/8ウィンナワルツ・スマートストーム・ラストベガ・レインダンス
20081,0502無抽選シャランジュ・ジョイフルスマイル
200940011/4ルージュバンブー
20101,35011/2モーニングフェイス
201140022/5カルマート・ハッピーグラス
201290022/4サンキューアスク・チェリーメドゥーサ
201390022/4ティアーモ・ブリリアントアスク
201490011/5エリーザベスト

桜花賞と同様、傾向は変わっていないように見受けられます。収得賞金が1,000万円以上あれば出走できるでしょう。

東京優駿

収得賞金出走枠数抽選倍率該当馬
20001,6201クリノキングオー
20011,3501マイネルライツ
20021,75033/4ゴールドアリュール・サスガ・モノポライザー
20031,5001無抽選チャクラ
20042,0002無抽選アドマイヤビッグマイネルマクロス
20051,3501無抽選アドマイヤフジ
20061,75022/4ナイアガラ・パッシングマーク
20072,0001無抽選ゴールドアグリ
20082,1001無抽選レッツゴーキリシマ
20092,4001無抽選アイアンルック
201090011/3メイショウウズシオ
20111,3501無抽選ロッカヴェラーノ
20121,8501無抽選ゼロス
20131,1502無抽選アクションスター・フラムドグロワール
20141,1001無抽選アズマシャトル

トライアルの出走枠が変更になった2010年以降の5年は意外なボーダーの低さが続きましたが、皐月賞の項目でも述べたように、今年はボーダーが上がるでしょう。距離的なハードルは皐月賞より上がるものの、ホースマンの夢ですから賞金があるなら出走、という陣営もいるでしょうし*1皐月賞トライアルで賞金を加算する馬、ダービートライアルで賞金を加算する馬、と考えていくと、皐月賞と同様収得賞金で最低2,000万円は欲しいところ。最終的な落ち着きどころは2008年、2009年くらいでしょうか。

*1:昨年、ローテーション的に記念出走だろうと思われたタガノクランパ号が4着に食い込みファンを驚かせたのは記憶に新しいですし、この例がマイル路線組の出走を促す方向に働くかも?と思います