中央競馬のためにならない話

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今年の西谷騎手

週末は中山大障害。有力馬の一頭であるマルカラスカル号の鞍上は、障碍競走3戦目以降変わらず手綱を取る西谷騎手です。
西谷騎手は16年目、中堅からベテランの域へ足を踏み入れつつある騎手。競馬学校の同期は野元騎手、青木騎手、山本騎手、そして引退した矢原騎手に石山騎手に金折騎手…と、地味かつ障碍競走中心の騎手が多いですね。障碍競走中心の騎手の中でも西谷騎手の実績は圧倒的。障碍116勝は現役3位、上位の熊沢騎手と林騎手はいずれも西谷騎手より10歳近く年上の騎手ですから、若い頃からいかによく勝っているかがわかります。ここ数年は毎年10勝前後、障碍リーディングも数度、障碍競走数が減らない限り、星野騎手(現JRA調教師)の持つ障碍254勝という大記録を抜くことも可能では?と思えますね。
ただ、今年はここまでわずか4勝。毎月の「騎手の調子・厩舎の調子」でも何度か触れたとおり、いまいち調子が上がらないまま年末になってしまいました。特に、先日の三木ホースランドパークジャンプSで繰り上がりで勝利するまで半年勝ち星がなく、その間33連敗。ここまで連敗を重ねるのは西谷騎手としては珍しいのでは?と思い、過去の西谷騎手の長期連敗を見てみました。長期というほど長期でもないですが、障碍競走中心ということもあって、20連敗以上で掲載しています。

連敗数連敗期間平地競走騎乗数
4703.10.18〜04.10.310
4096.12.15〜97.6.715
3496.4.6〜96.5.2631
3496.3.26〜95.4.2934
3395.7.15〜95.10.2927
3310.6.6〜10.12.50
3095.12.16〜96.1.1528
3099.2.27〜99.10.161
2995.5.28〜95.6.2428
2602.12.15〜03.6.220
2596.2.25〜96.4.622
2410.1.11〜10.4.170
2396.7.28〜96.9.2121
2396.5.26〜96.6.2220
2109.3.7〜09.5.300
2102.2.17〜02.6.20
2198.6.28〜99.2.144
※網掛け部は、連敗のほとんどが平地競走によるもの。


…デビュー16年目にして、20連敗以上の経験はたったこれだけ。少ない*1! 早めに障碍競走へ軸足を移したため、通算の騎乗数が1,260回くらいである(例えば、4年目の荻野琢騎手で既に1,300回超です)ことも影響していますが、それにしても少ないです。半分くらいが平地競走中心、デビュー1〜2年の間に記録されており、障碍競走に本格的に乗り始めた96年末以降の14年間、20連敗以上はわずか9回とものすごい安定ぶりです。その9回のうち、今年マークしたのが2回。自己ワーストの大型連敗を2004年に記録したあとは、20連敗を超えることすらなかったのですから、今年の西谷騎手はかなり調子が悪かった、と言えそう。
もっとも、一概に調子のせいとも言えないのが競馬の流れで、リーディング争いをする騎手に自然と馬が集まる(今年で言うと北沢騎手や高田騎手、後半の五十嵐騎手)ように、騎乗馬の質として例年より良くなかったようなところもあるかと思います。ただ、それをある程度カバーするのが腕であって、そう考えるとやはりこの落ち込みは心配です。まだまだ老け込む歳ではないですし、この低調ぶりもあくまで一時的なものであって、週末はスカッとしたレースができればいいのですが。


おまけとして西谷騎手の動画を貼り付けておきます。作成者は白井最強動画も作られた方。ちょうど2006年の中山大障害マルカラスカル号とのコンビの動画です。

これ、BGMがFANATIC◇CRISIS「ゆらぎ」なんですよね。活動が地味になってからの曲だけに、曲に合わせて動画を作ったのか、動画に合う曲を探してこれになったのかが気になります。

*1:例えば、現在リーディングトップの横山典騎手でも、今年1度20連敗以上を経験しています。昨年は5度。